サッカー日本代表VSオランダ戦 振り返り

日本、強豪オランダと引き分け!!!

いやぁ初戦から激アツな試合でした。
早朝から父親(と母親)と電話しながら見ていたのですが、吠えましたね。近所迷惑にはならないようにしていたつもりですけども得点シーンとかはどうしても声が出てしまって。
いやでも実際めちゃくちゃいい試合だったんですよ。

世界のサッカーファンからも後半45分の戦いにはかなり高い評価がされています。

日本のテクニカルな攻守、苦戦しながらも2度こじ開けたオランダ、勝ち逃げは許さなかった日本。両チームの交代カードにも様々な意見がありますが、いやしかし見事な試合でしたよ。

次のチュニジア戦までまだ時間があるので、じっくり振り返っていきたいと思います。


オランダは強かった

正直な話をすると、私はグループリーグ全勝できると思っていました。チュニジアとスウェーデンは言うまでもなく、ぶっちゃけオランダ弱いだろと。実際にPOT1の中では与しやすい方だとは思います。

でもやっぱ強かったですね。流石に格上だった。

前線のマレンガクポは予想されていた通りに脅威で、特に前半序盤にガクポのカットインからのパス、いきなりマレンが背中でボールを隠しながらターンしてシュートしたシーンは、ザイオンのファインセーブがなければ試合が終わっていたかもしれません。

中盤もフレンキーデヨングはもちろんのことフラーフェンベルフも面倒な相手で、2点目なんか彼に2人剥がされてしまったのが半分くらいゴールですもんね、あの位置で綺麗に剥がされてしまうとシュートまでコンボが繋がってしまう。

サマーフィルとか逆足であんなシュート打てんのかって感じですし、CB2人も言うまでもなくというところで、当然のようにビッグネームが揃っているあたり流石は強豪国という感想でした。

それから、日本に対する油断みたいなのは全然なかったですよね。むしろ日本をこんなにリスペクトしてくれるんだという。あんなに引いたディフェンスを組むと思っていませんでしたし、ガッツリ日本対策として5バックも用意していてびっくりしました。

日本があれだけ警戒していてもセットプレーで沈め、追いつかれてもゴラッソで再度引き離す。メンフィス投入で監督の采配にこそ疑問符が残るものの、信頼を置いている選手を投入してまで逃げ切ることに全力を出したとも言えるわけで、「うっかり前のめりになるとひっくり返される」という意識があればこそかなと思います。

だからこそ、前回のように舐めてきた相手にファイヤーアタックで奇襲をかけてひっくり返したのと違い、警戒している相手と対等に戦って2度追いついたのは、優勝を目指すチームとして全く恥ずかしくない内容であったと胸を晴れますね。

日本の作戦は左上がりの「斜線陣」

やりたいサッカーはできたな、というのが最初の感想です。守備を固めながら4割くらいボール保持もして、攻める時はフィニッシュまで侵攻する。

ビルドアップの時はボランチの鎌田がCBの位置まで1列落ちてきて4バックにし、左右CBの伊藤と渡辺が高い位置を取る。特に渡辺は堂安を追い越してポケットまで上がっていくプレーもあり、森保ジャパンらしい流動性が見られました。

全体的には左サイドが戦いの焦点となりました。
相手の右SBであるドゥンフリースは前を向くと怖いですが後ろを向くと怖くない選手で、だから彼の裏を狙うのが基本戦術でした。実際に久保も鎌田も前田も相手右サイドへのポケット侵入を試みており、日本の1点目もここから生まれています。

三笘という最大の矛が欠けてもなお日本が誇るシュート職人ケイト中村のドリブルは世界レベルで、しかも大半の選手にとっては初見でしょうから通用するんですよね。今大会通して日本の武器となるでしょう。左の中村、右の伊東で勝負していくことになると思います。

守備時の話もしましょう。

心臓であるフレンキーデヨングに対しては上田が背中で消しつつ、佐野と鎌田が飛び出す気配を見せることでゴールから遠ざけていました。低い位置で回されてもコンパクトに5−4−1の守備ブロックで構えていたので、オランダは局面での優位を取るためにガクポにボールを預けるシーンが増えます。

相手の左WGシャビシモンズが怪我により欠場となったことで右WGガクポが起点になることは想像できていました。ガクポの身長は190cmを超えています。対峙する堂安は170cm前半。ここを狙うのは当然ですよね。

しかしこれを任される堂安への森保の信頼も素晴らしい。
20cm差もあれば腰の高さが違って足の長さも違うわけで、つまり歩幅も違う。切り返しの深さも変わってきますし、ガクポはスピードもある選手です。そんな彼相手に守備的な選手ではないのに対応を任され、久保とのダブルチームで対応した堂安は素晴らしかったですね。

今回の日本は3−4−2−1というフォーメーションでしたが、しばしば守備時は4−4−2に変形していました。堂安が右SBとなって前田が左CFとなる左上がりの変化です。右は久保堂安渡辺で守って、左サイドを反撃の要にしようという判断。まるで斜線陣ですよね。

上述したように左サイドを攻めたいので左サイドを強気に構えたのですが、こちらの守備がやや手薄になってしまい、1失点目は堂安のファウルからですが直接的には前田のプレスミス、2失点目も左サイドを崩される形となりました。ただし左サイドから何度も攻撃できていたのも事実ですので、斜線陣自体は成功だったと思います。

改めてですが、これが成立するのは相手のエースである左WGガクポを久保堂安渡辺で対応できるという前提に立っていて、攻撃的な選手でありながら相手エースとのマッチアップで戦えると想定されている堂安への森保の信頼があるんですよね。まさしくキャプテンにして10番の選手ですよ。

衝撃の2点目:オランダ相手にクロス勝負

2点目は本当にびっくりしましたね。オランダ相手にコーナーキックからヘディングでゴールできるんだっていう。しかもファンダイクの裏ですからね。たまたまではなくてちゃんとスクリーンの動きもしている狙ったゴール。素晴らしいとしか言いようがないです。

オランダというのは国全体の平均身長が高いですし、当然チームとしてもスタメンに190cm越えが何人もいるという巨人集団。常識的に考えて日本が高さ勝負など出来るわけがありません。実際に1失点目は相手の巨人ファンダイクにヘディングで取られているわけですよね。

そこに対して後半の日本が逆転のための切り札として途中出場させたのは、クロスを武器とする伊東と菅原、ヘディングゴールの多い小川と塩貝でした。つまりクロスからのヘディングで追いついてやろうという作戦でした。

小川も塩貝も確かにヘディングゴールは多いですが、とはいえ高さのある選手ではありません。それでも森保はヘディングで追いつくビジョンを見据えていて、実際にそれで追いついてみせたわけです。

はっきり言って、crazyですよ。

しかし私はそれだけクロスにも自信があったということだと思っています。森保ジャパンの2期は名波と前田がコーチに加わって攻撃の引き出しが色々と強化されているのですが、とりわけセットプレーにおけるデザインは豊富になっています。

アジア最終予選においても中国戦をはじめとしてセットプレーから狙い通りのゴールがあり、それを本番に向けていくつも用意しているでしょう。勝ち上がっていくためにセットプレーからの点は不可欠。だからこそオランダ相手にもクロス勝負するほど練り上げていたと見るべきです。

鍵となる4人のジョーカー

前回大会において日本は堂安と三笘を途中から投入し、この二人が切り込んでいくことでドイツとスペインを相手に逆転しました。苦しい時に勝負を決めるようなジョーカーを持っておくのが森保流の勝負戦術。

そういうジョーカーが、今回はおそらく伊東。そして小川塩貝冨安なのでしょう。

圧倒的なスピードとドリブルからのクロス。伊東の強みはハッキリしていますし、森保ジャパンではしばしば決定打には伊東の関与がありました。久保堂安はともに左利きであることからも相手にとっては対応しにくいのは想像に難くありません。

リーグドゥの中村もですが、ベルギーが主戦場だった伊東も強豪の守備陣も対戦経験が少なくデータも少ないわけで、それだけこういう場では通用しやすいんですよね。

小川も決定力のある東京世代の元祖エース。かつては堂安よりも小川の方がエースであり、上田より遥かに小川でした。彼が頼もしいアタッカーとして日本代表に帰ってきて、こうしてW杯で輝いているのは胸が熱くなるものがありますよね。

塩貝はまだ若く実績も豊富ではありませんが、とにかく勢いのある選手です。クラブでも途中交代からゴールを何度も決めるなどジョーカーとしての起用にも慣れています。スピードもありますし、あんなヤンキーみたいな雰囲気でありながら頭の良い真面目な性格という令和らしい若者。彼のギラギラは期待したくなるものがありますよね。

そして、冨安。
フル出場させるのは心配になる状態ですが、ここ一番で使われるとやはり非常に頼りになる存在。攻撃では縦に鋭いボールを入れられ、守備時には確実にカウンターの芽を摘み取る。クローザーにしてジョーカーとしての冨安投入は大会を通してキーとなりそうです。

チュニジア戦に向けて

今大会は試合と試合の間隔が長いので、スタメンを大きく変えるターンオーバーというのはしないと思っています。怪我してしまった久保を変えるくらいじゃないでしょうか。伊東か、堂安を前にあげて菅原か。

相手のチュニジアは大会中に監督交代という奇策でかかってくるので全く読めませんが、流石に新たな戦術を仕込む時間はないと思うのでシンプルな戦術で来るでしょう。

相手が前から仕掛けてきたりオープンに勝負してくるなら日本はどっしり構えておけば隙をつけそうです。対してドン引きからのカウンター狙いなら、コンパクトに構えている相手にハイプレスを仕掛けてロングキックを蹴らせないようにしつつセットプレーやミドルシュートで狙っていくことになるかなと。

私個人としては堂安も佐野も鎌田もあんなものではないと思っていて、試合を経るごとに調子を上げてくれたらと願っています。やっぱり活躍する堂安が見たいんですよね。

あとはキーマンである塩貝、得点王の上田のゴールも見たいところです。塩貝や小川のような選手が決めたらチーム内の勢いも一気に増しますよね。何かやってくれそうな雰囲気が本物であることに期待して楽しみにしていたいと思います。