血統派としては一年で最も楽しみにするのがクラシック戦線。
牝馬クラシック初戦となる桜花賞を目前となり皐月賞の出走メンバーもほぼ分かりました。
というわけで、ここで年始に書いたクラシック番付の中間チェックをしていこうと思います。(年始のブログは下の記事)
番付の振り返り
はっきり言うと、ボロッボロでした……。
いやぁ参りましたね。なんせ一番自信のあった牡馬の横綱が2頭ともクラシック不参加という。まさかこんなことになるとは全く思っていませんでした。競馬って本当に難しい。
さて一つ一つ見ていきますが、あまり細かく書くと長文になってしまうので、あっさりと書きますね。あくまで中間チェックですし。
横綱
横綱に推奨したのは、以下の3頭。
ダノンエアズロック ジュンゴールド | 横綱 | チェルヴィニア |
ダノンエアズロックは弥生賞に出たのですが、惨敗。
モーリス産駒の若駒らしくテンションが高くなってしまい頭を抱えていたのですが、それどころじゃなくレース後に怪我が発覚。想定外の敗北で私を含めたモーリスファン一同をどん底に沈めました。
果たしてダービーには間に合うのでしょうか。距離はこなせてもいいと思うんですが……。
それからジュンゴールドですが、こちらは気性が暴走して京成杯で惨敗。
挽回を期してスプリングSに出たものの、最後方ポツンのまま最下位。開いた口がふさがらないという感想です。
この馬の場合、2戦目でハナに立ってしまったことと輸送のせいでメンタルの問題を抱えてしまったのが敗因ですね。ペースを挙げる人もいます。正直それもあるかもしれません。私は大丈夫だと思っていたのですが、復活してまともに走ってくれないと分からないです。
故障はしていないはずなので、ダービートライアルに出てくるんじゃないかと思います。例えば京都新聞杯とかに出てきたら、もう一度信じたいと思います。菊花賞も目指せます。
牝馬の方はチェルヴィニア。この馬は出走していないので何とも言えませんが、今のところ問題はないんじゃないでしょうか。調教も悪くないですしね。ちょっとフォトパドックを見る感じだと奥手なのかなという気はしますけど、それでも素質は一番なはずです。
Danzig(ダンジグ)系のクラシック勝てないジンクスは有名ですが、この馬なら覆せる能力はあると思います。(※秋華賞は牝馬クラシックでいいと思います)
大関
大関は牡馬3頭に牝馬2頭でした。
ゴンバデカーブース ミスタージーティー シンエンペラー | 大関 | アスコリピチェーノ レガレイラ |
まずゴンバデカーブースは、故障で放牧中。
netkeibaの掲示板によると運動は再開できているみたいなので、NHKマイル直行でしょうか。なんとか間に合うと良いんですけど、焦って仕上げて崩れてしまうのは見たくないです。幸いサウジRCを勝っているので賞金は多少ありますからね。
ミスタージーティーはなんとか若葉Sでクラシックに間に合いました。
賞金もようやく積めましたし、とりあえず一安心……というわけではありませんが、藤岡佑介騎手は素晴らしい仕事をしましたね。皐月賞は間隔も詰まりますし、この馬ならダービーに向けて叩き仕上げで良いんじゃないかと思いますが、果たして。
シンエンペラーは素晴らしい成長曲線を描けています。
現状、この馬が最も良いローテですね。中山2000の経験もありますし、それなりのペースも経験できています。賞金も十分にあるので、非常に楽しみな一頭です。
ちなみに弥生賞のパドックでこの馬を初めて生で見たんですが、あまりの迫力に息を吞みました。これが凱旋門賞馬の全弟なのかって圧倒されましたね。まだまだ成長を残していますが、G1を複数勝てるんじゃないかと思うくらいのスケールを感じました。
牝馬の1頭目はアスコリピチェーノ。阪神JFから直行です。
栗東滞在で悪くないと思いますが、ダイワメジャーですしここが勝負でしょう。当然有力馬の1頭ですが、阪神JFと桜花賞では求められる適性が違ってくるので、頭はどうでしょうか。
もう1頭はレガレイラ。ホープフル1着から、まさかの皐月賞に直行参戦。
ルメール騎手の離脱により乗り替わりとなるでしょうが、オッズはどうなるんでしょうね。展開次第で馬券には来るかもしれませんが、私はこの馬が皐月賞をとることはないと思います。それは自信を持って言えます。この馬はオークスで買いたいです。
関脇
関脇は牡馬・牝馬ともに3頭ずつ挙げていました。
ジャンタルマンタル アーバンシック ダノンマッキンリー | 関脇 | タガノエルピーダ ステレンボッシュ ルシフェル |
ジャンタルマンタルは共同通信杯2着。
川田を確保して万全の態勢。しっかり仕上げてくると思います。パレスマリス産駒という意味でも大きく注目を集める馬ですね。年始の記事では「これまで恵まれているから能力がまだ信用できない」と書きましたが、共同通信杯でちゃんと2着に来たので見直しました。能力は高いです。
それからパレスマリスは早熟なんじゃないかと書きましたが、ごめんなさい、これは訂正する必要があるかもしれません。そもそもパレスマリス自身はベルモントSの勝ち馬で、どちらかと言えば遅めですし。もちろんそれは知ったうえでの発言だったんですが、少なくともジャンタルマンタルを生で見た感じは結構印象が変わりました。
気持ちが前向きになっているのは心配するところではあるんですが、能力としては2000以上もいけると思います。朝日杯はタフな展開でしたし、共同通信杯で掛かったのはドスローだからと解釈できます。皐月賞を勝ち切るようには思えませんが、掲示板には乗るんじゃないかと思います。
アーバンシックは京成杯2着から皐月賞へ。
やはり末脚は良いものを持っているんですが、この馬は中山向きではないので皐月賞はよくて3着じゃないですかね。成長力をどこまで残しているのかな……という感想ですね。
ダノンマッキンリーはファルコンSを快勝してNHKマイルCへ。
クラシックでなく短距離路線に進むことになりそうですね。とはいえファルコンSは強い競馬をしてくれましたし、まともに走ってさえくれたら素晴らしい血統を裏切らない能力を見せてくれます。
モーリスファンとしては、NHKマイルCを是非とも勝ってほしいですね。もしかしたらNHKマイルCからダービーもあるかもしれません。最近だとマテンロウオリオン的な。夢を見るのは自由です。
牝馬のタガノエルピーダはチューリップ賞4着で桜花賞出走はなりませんでした。
馬場が渋ったのが痛かったんですかね。この馬の良さを出せませんでした。忘れな草賞に出るみたいです。好走を期待しましょう。
ステレンボッシュは阪神JF2着から桜花賞に直行。
流石は牝馬の国枝という感じで、ほぼすべて上がり最速ですし率直に言って良い馬ですね。これも血統は母母ランズエッジ(レガレイラやアーバンシックと同じ)ですし、エピファ産駒なので楽しみです。
ルシフェルは残念ながら桜花賞に参戦ならず、噂によるとオークス直行とか。
ただこの馬は阪神JFはかなり詰まっていて言い訳できる敗北ですし、毎日杯は馬場が重かったですからね。能力的にはやれると思っています。オークスとか馬券も狙えると思うんですよ。とりあえず出られるかというところからの戦いにはなってしまいますが、諦めていません。
小結
小結は5頭です。
ダノンデサイル シュトラウス エコロヴァルツ | 小結 | サフィラ ボンドガール |
ダノンデサイルは京成杯1着から皐月賞へ。
POGで指名している馬なので応援していたのですが、まさかジュンゴールドとアーバンシックを倒して勝ってしまうとは思っていませんでした。しかし鞍上のノリは勢いありますね。久しぶりにG1もあり得るんじゃないかなというくらいです。
シュトラウスはクラシック不参加。
まぁ気性の一言に尽きますね。モーリスファンとしては悲しい限りです。ドルチェモアほどには至っていないので、まだ希望は持てます。メイケイエールのように立て直してほしいなと思います。
エコロヴァルツは……どうなんでしょう?
ぶっちゃけるとこの馬にはそこまでのものを感じていないので、クラシックで勝負するのはハードルが高いなと思います。もちろん弱くはないと思いますけどね。
牝馬のサフィラは賞金不足。
血統は良いんですが、先を見据えて条件から一歩ずつやる方が良いのかなとも思います。
ボンドガールは桜花賞で抽選対象。
取るなら桜花賞ですね。成長は疑問が残りますが、能力はあると思います。あの新馬戦はG1馬内定と言えるくらいのものがありました。
前頭
前頭は年始の時点で新馬戦あるいは未勝利戦を勝ち上がっただけの馬です。
トロヴァトーレ バードウォッチャー ニュージーズ ビザンチンドリーム べラジオボンド | 前頭 | アルセナール ミエノジュピター ガルサブランカ |
この中で一番期待していたのはべラジオボンドでした。
共同通信杯ではドスローのキレ負け。サンデーフリーだとやはりああいう競馬はどうしようもないですね。そして毎日杯では重馬場。不運ではありますが仕方ありません。馬主のツイート的には条件からやり直すとのことだったので、秋を目指して勝ち上がるのを楽しみにしたいと思います。
ビザンチンドリームはきさらぎ賞1着から皐月賞。凄い脚でした。
あの位置から大外回して、普通は届かないですよ。粗削りではありますが楽しみな馬です。
アルセナールはクイーンCで惜敗2着。
まぁ正直クイーンズウォークの方が目立ってはいましたが、この馬も強さを見せました。オークスもいけると思いますし、楽しみです。
クラシック展望
世代を語るうえで忘れてはならないのは、その世代の種付け価格と種付け頭数です。
すべての種牡馬が平等な条件下なわけではないですからね。補足ですが一般に種付け価格が高い方が繁殖は良いとされます。良い牝馬を用意して高い値段で売らないと牧場の儲けになりませんからね。ただこれはセールや庭先で売る場合の話で、自分やクラブで走らせるなら話は別です。
というわけで、このまま順調に進んだとしてクラシック一戦目に参戦できる頭数を種牡馬別にみてみます。(ボンドガールのように抽選の馬は除いています)
種付け料 | 馬名 | 種付け頭数 | 皐月賞 | 桜花賞 |
---|---|---|---|---|
2000万 | ロードカナロア | 181頭 | 1頭 | |
1000万 | ハーツクライ | 71頭 | ||
700万 | ドゥラメンテ | 178頭 | 1頭 | |
600万 | キズナ | 242頭 | 3頭 | 2頭 |
600万 | スクリーンヒーロー | 121頭 | ||
600万 | ダイワメジャー | 112頭 | 1頭 | |
600万 | ハービンジャー | 119頭 | 2頭 | |
600万 | ブリックスアンドモルタル | 178頭 | 1頭 | |
600万 | ルーラーシップ | 134頭 | ||
600万 | レイデオロ | 196頭 | 1頭 | |
500万 | エピファネイア | 240頭 | 2頭 | 2頭 |
400万 | カリフォルニアクローム | 143頭 | 1頭 | |
400万 | キタサンブラック | 92頭 | ||
400万 | ヘニーヒューズ | 132頭 | ||
400万 | モーリス | 165頭 | ||
以下、そのほかの種牡馬 | ||||
300万 | ドレフォン | 186頭 | 1頭 | 1頭 |
300万 | ゴールドシップ | 95頭 | 1頭 | |
300万 | ブラックタイド | 73頭 | 1頭 | |
230万 | デクラレーションオブウォー | 134頭 | 1頭 | |
220万 | マクフィ | 55頭 | 1頭 | |
200万 | スワーヴリチャード | 123頭 | 2頭 | 2頭 |
170万 | アルアイン | 104頭 | 1頭 | |
150万 | ディスクリートキャット | 106頭 | ||
150万 | イスラボニータ | 122頭 | 1頭 | |
120万 | ディープブリランテ | 44頭 | 1頭 | |
輸入 | パレスマリス | 1頭 | ||
輸入 | Siyouni | 1頭 | ||
輸入 | Too Darn Hot | 1頭 |
ロードカナロアがやはり物足りなさを感じてしまうというか、この種牡馬は基本的に短距離なんですよね。アーモンドアイやサートゥルナーリアが異質だったんですよ。ブレイディヴェーグも本質2000までだと思いますし。
23世代が弱いって言われる理由の一因が、ディープキンカメが抜けた穴をカナロアが埋められなかったということになると思います。ただカナロアって晩成ですし、べラジオオペラやロードデルレイのようにガンガン成長してくると思いますから、まだまだ分からないですよ。
それからキタサンブラックとハーツクライは生産頭数が少ないので、そこは考慮してあげるべきだと思いますね。ゴールドシップやスクリーンヒーローとかは社台SSの種牡馬じゃないですし。それでゴルシはメイショウタバル(三嶋牧場生産)を出してるんだから褒められるべきでしょう。過去にはオークスも勝ってますしね。
モーリスはこの世代の頭数自体は少ないんですが、ノーザン生産頭数の割合が極めて高いんですよ。全体の頭数が少ないのもあって、たしか3割か4割くらいはノーザン生産。実際にダノンエアズロックとかダノンマッキンリーとかシュトラウスとかキャプテンシーとか出しているので大きく期待外れってことはないんですが、いかんせん気性がね……。
ぶっちゃけクラシック見学は許されないというのが客観的な意見です。モーリスファンなので、なんとかならないかなと縋る気持ちですよ。すっかりモーリス産駒の人気馬が世代重賞で暴走して飛ぶのが毎年の定番になっちゃってますからね。暴走仲間のエピファはそれでもクラシック送りこんでるのに……。
そのほかコメントするとしたらスワーヴリチャードでしょうか。凄いのは凄いんですけど、レガレイラとアーバンシックは同一牝系ですし、この牝系からはエピファ産駒のステレンボッシュも参戦するように牝系がそもそも優秀なんですよ。スワーヴは種付け価格こそ控えめですが、実はCPIはかなり高いんです。繁殖の質が優遇されているんですよ。
もちろん同じように優遇されていたレイデオロは厳しいですし、早熟もそれ自体は良いことなので、良い種牡馬なのは間違いないです。ただ種牡馬としての格を語るのはまだ早いと思います。みんな第二のサンデーサイレンスやディープインパクトを探していますけど、あんな種牡馬は簡単には現れないんですよ。
優秀だなと思うところではドレフォンとデクラレーションオブウォーも挙げましょう。基本ダート馬なのにクラシックも夢見られるからこそドレフォンは人気するんですよね。率も良いし偉い種牡馬です。デクラレーションオブウォーも上がりこそ足りないものの2年連続で世代重賞に乗せてますよね。皐月賞は不参加ですが、NHKマイルCに向かうセットアップもいますから。
最後にエピファネイアとキズナを。それぞれ繁殖の上がった世代でしっかりと結果を出しているのは本当に素晴らしいです。キズナは外様なこともあってかノーザン生産はこれまで少なくて、待遇上がった途端にこれですからね。エピファネイアも質が良かったとはいえ種付け価格250万円で牝馬無敗三冠や年度代表馬を出してたのが異常なんですよ。
今年デビューの25世代はこの2頭の繁殖がさらに上がった黄金世代になるので本当に楽しみです。2歳馬の評判が少しずつ流れてますけどワクワクしますね。
おわりに
まだ中間ですし、蓋開けたらアルアイン産駒のコスモキュランダが3冠とかも全然あります。何が起こるか分からないのが競馬ですし、だからこそ出走させることが意味を持ちます。コパノリッキーとか、海外ですがRich Strike(リッチストライク)とかShamus Award(シェイマスアワード)みたいな例もありますしね。
モーリス産駒も巻き返しをお願いしたいところ。この世代は本当に黄金世代なんですよ。素質は絶対あるはずなので、なんとか結果を出してほしいです。
あ、そうだ。クラシックとは話がずれますが、フォーエバーヤングも楽しみですね。
今年は米国3歳世代も強そうなので、どこまでやれるのかというところではありますが、世界競馬史に残る瞬間が見れることを期待しようと思います。
長文ありがとうございました。番付の反省会は年末に書きますね。
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