血統好きを名乗る者として世代戦は負けられないと何度もツイートしている私。
しかしながら24世代は今のところ全然ダメで、新馬戦や未勝利戦、あとはアイビーSとサウジRCを当てたのみで、そのほかは阪神JFや朝日杯も含めて負けまくっています。
というわけで説得力が全くないのですが、今回は大相撲の番付のような形式で24世代の素質馬および期待馬を血統的観点から紹介していこうと思います。
※私の偏見で評価しているので、世間の評価と異なる可能性は多々あります。
早速ですが、2歳終了時点での番付はこちらです。
※1、芝クラシックを意識したものなのでダートは含みません。
※2、三役(大関・関脇・小結)以上は1勝クラス以上を走ったことのある馬に限定しています。
新馬だけの評価は難しいですし2戦以上走って結果を出した馬に対するリスペクトのつもりです。
※3、牡馬と牝馬の番付の横の比較はある程度は意識していますが絶対ではありません。
牡馬 | 番付 | 牝馬 |
---|---|---|
ダノンエアズロック ジュンゴールド | 横綱 | チェルヴィニア |
ゴンバデカーブース ミスタージーティー シンエンペラー | 大関 | アスコリピチェーノ レガレイラ |
ジャンタルマンタル アーバンシック ダノンマッキンリー | 関脇 | タガノエルピーダ ステレンボッシュ ルシフェル |
ダノンデサイル シュトラウス エコロヴァルツ | 小結 | サフィラ ボンドガール |
トロヴァトーレ バードウォッチャー ニュージーズ ビザンチンドリーム べラジオボンド | 前頭 | アルセナール ミエノジュピター ガルサブランカ |
いかがでしょうか。
当然だという部分もあれば、納得できない部分もあるかもしれません。
以下、1頭ずつ番付順に、簡単にではありますが書いていきたいと思います。
横綱
横綱の評価基準は、現時点での世代代表格。クラシックでまず勝ち負けするだろうという評価です。
牝馬
牝馬の横綱はチェルヴィニア。
ノーザン(生産)×キムテツ(厩舎)×ルメール(騎手)という黄金タッグです。
このタッグの有力馬は他にもいますが、この馬が少なくとも現状一番手でしょう。
伝説の新馬戦での2着。
あの新馬戦はラップが優秀なんですが、逃げて2着なんだからこの馬がかなり強い競馬をしています。
未勝利は新潟でしたが、もうこの馬が来る時点で有力馬は回避していたので余裕の圧勝。当然です。
3戦目は東京1600のアルテミスS。
のちほど紹介する小結サフィラにマークされた状態で、サフィラより前からサフィラより速い上がり33.3の末脚を使って1馬身以上離した完勝。加速ラップの差し切りですし着差以上の強さです。
血統は父Harbinger(ハービンジャー)、母チェッキーノ。ノッキングポイントの半妹です。
この牝系では春クラシックの成績が良く、母チェッキーノはオークス2着、モーリス産駒の半兄ノッキングポイントはダービー5着とまさにクラシック血統。
Harbinger産駒で距離を縮める要素もないですし、これまでの走りからもオークスは全然走れますね。1800~2400くらいがゆくゆくは距離適性となるでしょうか。
別に早枯れということもなく、5歳まで走れるでしょう。
かなりの大器ですし、牝馬クラシックを1つは取らないといけない馬ですね。
Harbingerのみならず父系Danzig(ダンジグ)のクラシック未勝利というジンクスを破れるか、期待がかかります。
※秋華賞はもう牝馬クラシックの扱いで良いと思いますけどね。
牡馬
まずはダノンエアズロック。現時点では多くの人がこの馬を世代一番手に評価しているでしょう。
新馬戦ではレーンが騎乗。全く危なげなく番手から押し切り勝ちしました。
ただこの新馬戦、逃げた馬は沈んでいますし、ダノンエアズロックを追いかけていたホープフルS3着のサンライズジパングを千切っているんですよね。
モーリス産駒らしい勝ち方と言えますが、このサンライズジパングはダートで好走したキズナ産駒でキレはなくても脚が長く使えるという馬なので、これにスタミナ勝負で勝っているのは強いです。
2戦目はアイビーS。これも新馬戦と同じ府中1800です。
今度は逃げたホウオウプロサンゲが超スローに落とし込んだレースで、それを上がり32.7の信じられない末脚で勝ちました。新馬戦は上がり35.2ですからね。大きく性質の異なるレースでどちらも勝ち切っています。それもクビ差とかではない完勝。
このアイビーSにおいてダノンエアズロックをマークしていたのは大関の牝馬レガレイラ。この馬がホープフルSを勝ったことで戦わずして評価を上げる形になりました。
もっとも、私はこれはルメールのミス騎乗だと思いますけどね。逃げたホウオウプロサンゲを躱せていないわけですし。上がり32.7の脚で3着というのは位置取りが悪かったということです。いくらマークしていたとはいえ、小頭数でドスローは容易に予想できましたからね。
血統は父モーリス、母Mosheen(モシーン)。
Mosheenは既に名繁殖の評価もされている馬で、このダノンエアズロックもセールで5億円近い金額がついています。豪州生産馬で、ゴールデンスリッパーSで2着のスピードに中距離G1を勝つスタミナもあります。
母父Fastnet Rock(ファストネットロック)は豪州スプリンター。Danehill(デインヒル)産駒なので、いわゆる「モリデイン配合」に当たります。モリデイン配合については過去に書いているので、良ければ読んでください。
母母父Stravinsky(ストラヴィンスキー)はNureyev(ヌレイエフ)産駒のスプリンターです。ジュライCやナンソープSといった欧州短距離G1を勝っています。
母母母父Kaapstad(カープスタッド)は豪州の名馬Octagonal(オクタゴナル)の半兄で、Mosheenはスプリント血統のようで中距離を走れる血統的下地もあったわけです。
ダノンエアズロックの距離適性は、1800~2400という日本競馬における王道をゆくものだと思います。父モーリスも管理した堀厩舎ですし、日本での成績次第では香港を目指すプランもあるかもしれません。これも母方ががっつり豪州血統なことを考えれば期待が持てると思います。
競馬場で言えば、圧倒的に府中向きだと思っています。ダービーが楽しみですね。
現在の問題は騎手でしょうか。堀厩舎らしく今までレーン→モレイラと短期外国人ジョッキーしか乗せていませんが、2024年はレーンが制裁で来れませんからね。いったいどうするか、そこも注目です。
長くなりましたが、もう一頭の横綱はジュンゴールド。
ジュンライトボルトなどの「ジュン」軍団の馬にして、ゴールドの名を授けられた逸材です。
この馬、半端なく強いです。
正直のところまだ強い相手とは戦っていないのですが、それでも横綱の評価を与えていることから私の期待が伝わりますかね。
新馬戦のレースを見てもらえれば、あぁこれは怪物だなと分かると思います。
これだけの怪物をあの友道厩舎が管理するんですから、クラシックにはまず間違いなく有力候補として参戦してくることでしょう。
小倉デビューと言えば同厩の先輩ドウデュースにも重なりますね。
まだジュンゴールドは東京競馬場を走っておらず、既に年明けの京成杯参戦が表明されています。もしかしたらダービーまで走らないかもしれないですけど、府中でも好走できるでしょう。
なお24世代の京成杯は前年にソールオリエンスが使ったローテでもあることからメンツがかなり集まっています。その中でジュンゴールドがどんな走りをするのかが楽しみです。
血統は父エピファネイア、母父ゼンノロブロイ、母母Real Number(リアルナンバー)。
Real Numberはウィキウィキの半姉なので、ジュンゴールドから見てマカヒキは従兄弟にあたります。
血統からも分かるように距離適性は2000以上でしょう。
母父ゼンノロブロイの母Roamin Rachel(ローミンレイチェル)はフォーエバーヤングの母母母でもあります。ゼンノロブロイも持続力型の種牡馬です。
母母父Rainbow Corner(レインボウコーナー)はRainbow Quest(レインボウクエスト)の産駒で、Rainbow Questはアスクビクターモアの母父である凱旋門賞馬です。これも持続力型です。
マカヒキがReal NumberからFrench Deputy(フレンチデピュティ)という持続力型にディープインパクトというステイヤーを配合して持続力を伸ばした結果として府中2400が得意な馬となりました。
ジュンゴールドもゼンノロブロイにエピファネイアとくれば同じ方向性の配合と言えるでしょう。
どちらかと言えばエピファネイアの方がディープよりもより府中向きじゃないかなとも思えます。ディープは自身がステイヤーだったので米国型を配合することで産駒が府中を走れるようにしていたわけですからね。
したがって、ジュンゴールドも府中の中距離、つまりダービーに照準がぴったり合っている馬だと思います。友道厩舎は癖を矯正しながら中距離走れるように仕上げるのが上手いですし、是非ともクラシックを盛り上げてほしいところです。
従兄弟にしてダービー馬のマカヒキと同じ厩舎なわけですから、夢が膨らみますよ。
大関
大関の評価基準は、クラシックで馬券争いできるだろうという馬です。
牝馬
まずは阪神JFを勝ったアスコリピチェーノ。
阪神JFに関しては、ダイワメジャー産駒らしい仕上がりの早さと、栗東滞在で乗り込んだから勝てたという認識があります。ただそれも早くから賞金を積んでしっかりと狙って調教できたからということもありますし、陣営と馬を褒める部分です。
血統は父ダイワメジャー、母父Danehill Dancer(デインヒルダンサー)。
母母Listen(リッスン)は名牝で、同一牝系からは23世代ホープフルS3着のキングズレインや19世代の菊花賞2着サトノルークスが出ているほか、同じ大関のミスタージーティーも輩出しています。
ダイワメジャーにDanehill系と早熟の血統でおそらくオークスや秋華賞は難しいのでしょうが、桜花賞なら勝負できると思いますね。スピード競馬になると苦しくても少しパワーのいる馬場になれば、少なくとも現時点では世代トップクラスでしょう。
……って、実際に阪神JFを勝っているんだから何を当たり前なこと言ってるんだという話ですが(笑)
牝馬の大関もう一頭はレガレイラです。
これもホープフルSを勝っているので、順当な評価だと思います。
新馬戦のパフォーマンスも良かったですし、ホープフルも凄い脚でしたね。
いかにもノーザン×キムテツ×ルメールという馬です。
血統は父スワーヴリチャード、母ロカ、母母母Wind in Her Hair(ウインドインハーヘア)。
ドゥラドーレスの半妹で、同一牝系からは関脇のアーバンシックや同じく関脇のステレンボッシュがいます。
私、スワーヴリチャードにはHarbingerが合うと思うんですよね。
それについてはまた今度別の記事を書こうと思いますが、とにかく期待している配合なのでランズエッジ以外からも期待馬が出てくれたらいいなと思っています。
牡馬
牡馬の大関はまずゴンバデカーブースから。
新種牡馬Bricks and Mortar(ブリックスアンドモルタル)が輩出した期待馬で、2戦目のサウジRCでは新馬戦で注目を集めたシュトラウスとボンドガールという小結2頭を最後方から直線一気で差し切り2馬身差に突き離すという快勝を見せました。
残念ながら距離延長を予定していたホープフルSは熱発で回避となってしまい、さらには喉の手術も行うことになるなど順調さを欠いてしまいました。
ただ大きな怪我とかではないですしまだ時間もあるので、復活を楽しみに待ちましょう。
Bricks and Mortarは府中向きでしょうね。あと晩成な気がします。
まだ芯が通っていないというか、産駒は全体的に先がありそうです。
母父ディープなのもあって東京中距離でしょう。
サウジRC勝ち馬で母父ディープといえば21世代ダービー3着のステラヴェローチェがいます。
血統は父Bricks and Mortar、母父ディープインパクト、母母父Loup Solitaire(ルーソリテール)。
母アッフィラートも重賞で勝負になる馬ですし、母母Lady of Venice(レディオブヴェニス)は仏重賞馬。近親にもワールドバローズやレインフロムヘヴンなど、大きな実績は残せていなくてもオープン入りしている馬が多数いる良血馬です。
母母父のLoup SolitaireはフランスG1馬で距離は1600~2000。
個人的には別にゴンバデカーブースは距離が短いとは感じておらず、2000でも勝負できると思います。
2頭目はミスタージーティー。
矢作厩舎はこの馬に期待しているようですね。
新馬戦では全然調教が緩い状態でも素質だけで差し切り勝ち。
残念ながらホープフルSでは実力を出し切れませんでしたが、その素質を証明するに足りる脚は見せたと思います。
血統は父ドゥラメンテ、母Listen。
Listenはアスコリピチェーノのところで紹介しています。
クラシック向きですし、今年のドゥラメンテではこの馬が一番手かなと感じています。
距離は2000以上は欲しいですね。ダービーや菊で楽しみです。
3頭目はシンエンペラー。
こちらも矢作厩舎。あの凱旋門賞馬Sottsass(ソットサス)の全弟ということで注目を集めました。
京都2歳Sでは後方から馬群を縫っての差し切り勝ち。
ホープフルSでは抜け出してソラを使ってしまいましたが、レガレイラが来てから再加速していますし格付けが済んだとは思えません。なによりこの馬はまだまだ成長を残していますからね。
血統は父Siyouni(シユーニ)、母父Galileo(ガリレオ)、母母父Green Tune(グリーンチューン)、母母母父Miswaki(ミスワキ)。
Siyouni×Galileoは凱旋門賞馬SottsassのほかにG1を5勝のSt Mark’s Basilica(セントマークスバシリカ)も同じです。
母母父Green TuneはGreen Dancer産駒の仏マイラー。SiyouniにGreen Dancerはショーマンフリートでも見られる組み合わせですね。
母母母父Miswakiはサイレンススズカの母父で、Galileoの母Urban Sea(アーバンシー)の父としても有名です。このMiswakiのクロスがSottsassでもシンエンペラーでも大きく出ているように感じます。
Sottsassは仏ダービーでレコード勝ちもしている馬で、重い馬場よりもむしろ軽い馬場の方が向いていると思います。じゃあなぜ不良馬場の凱旋門賞を勝てたのかというところですが、それがMiswakiの力なんじゃないかなと。
なのでシンエンペラーも日本の馬場じゃダメということはなく、もちろんSunday Silence(サンデーサイレンス)系がビュンビュン飛んでくるような超高速馬場なら厳しいところはあると思いますが、ある程度の軽さなら全然勝負になると思いますよ。
成長がクラシックに間に合うかは分かりませんが、現時点で既にホープフルSくらいのメンツならG1を勝ち負けできる素質。
ゆくゆくは海外まで夢の広がる馬ですし、順調な成長を期待しています。
関脇
関脇の評価基準は、大関からは一枚落ちるかもしれないが世代上位と言える馬です。
牝馬
牝馬1頭目はタガノエルピーダ。
牝馬ながら朝日杯に挑戦して3着に入りました。
あのレースは前崩れの差し決着ですし、早め先頭で1馬身つけて押し切ったジャンタルマンタルと先行して残したこの馬は強いです。
この時期は牝馬もハンデが1キロなので牡馬に勝つのは難しいんですよ。それであの走りができたのですから期待できると思います。
血統は父キズナ、母父キングカメハメハ、母母父Tony Bin(トニービン)。
タガノディアマンテの半妹です。キズナ産駒の分だけこちらの方がスピードがあります。
トニービン持ちですし早くから走れても完成度勝負の馬ではないでしょうね。
力強くてパワーはあるでしょうし、牝馬なのでキレも期待できると思います。
まだ走っていませんが血統から府中も向くと思うのでオークスも楽しめるのではないでしょうか。
続いてはステレンボッシュ。
4戦して2勝と2着2回。阪神JFでも上がり最速で2着ですし、堅実に強さを見せています。
安心と信頼の牝馬の国枝ですからクラシックも楽しみですね。
父エピファネイア、母父ルーラーシップ、母母ランズエッジという血統。
ランズエッジはロカの母ですのでレガレイラやアーバンシックと共通しています。
ルーラーシップにエピファネイアと聞くと中京や新潟に期待したくなります。
府中も向いていると思います。小回りは逆に少ししんどいかもしれません。
この馬も騎手は少し悩ましいところでしょうか。
ルメールはチェルヴィニアやレガレイラがいますし、武史にはコラソンビートがいます。
レーンは制裁で来れませんしマーカンドも春は無理なので、テン乗りを避けるには桜花賞前にどこかで継続騎乗を依頼できる騎手を確保したいところです。
3頭目はルシフェル。
クロノジェネシスを輩出した斉藤厩舎の馬です。
良い脚を持っていますが阪神JFでは力を出し切れませんでした。
マイルだと後ろからになってしまうんですよね……。本命でしたが仕方ないです。
血統は父ハーツクライ、母父Exchange Rate(エクスチェンジレート)、母母父Jump Start(ジャンプスタート)。
ハーツクライ×Jump Startは23世代のオークス2着馬ハーパーと同じです。
母Alluring Star(アルアリングスター)はG1で2着もある米国馬で、良血と言えます。
ハーパーを見てもそうですが、ゆったりと入るレースの方が良いですね。
そのうえで早めにペースが上がるロンスパ展開が望ましいかなと。
距離は2000以上は欲しくて、阪神JFは適性からは外れる条件でした。
オークスで楽しみにしたいですが、クイーンCなどで賞金を詰めるでしょうか。
牡馬
朝日杯を勝ったジャンタルマンタルは関脇評価です。
今年から日本に輸入されてきたPalece Maliceの産駒で、朝日杯では前崩れの展開を早め先頭で押し切る強い勝ち方をしました。
なぜ2歳G1馬なのに関脇なのかということですが、この馬はデイリー杯も朝日杯も内枠で同じように内から抜けてきているんですよ。
距離ロスのない競馬でしか勝っていないので(もちろんそれができるのは馬の器用さなど能力ありきの話ですが)、ここでは一つ評価を落としました。
あと個人的にPalece Maliceは早熟だと思っていて、この馬に伸びしろがどれくらいあるかは疑問です。
現時点で強いですし未だ完成には至っていないわけですから世代上位の馬として3歳も戦っていくでしょうが、スケール感をそこまで感じられないです。
どうしてなんでしょうね。別に末脚ファンというわけでもないんですが……。
続いてはアーバンシック。
札幌での新馬戦から百日草、騎手はどちらも横山武史。
キャロットでなくシルクなことを除けば、まさにエフフォーリアの再来。
血統は父スワーヴリチャード、母父Harbinger、母母ランズエッジ。
レガレイラと全く同じなんですよね。母が全姉妹なので同配合の従兄弟です。
ペースが上がってどうかという問題はありますが、まぁそれは世代戦のうちは気にならないでしょう。
距離は2000以上は欲しいですがクラシックまでは1800でも気になりません。
レガレイラがホープフルSを勝ったことで、京成杯に挑戦するこの馬にも期待がかかります。
百日草は凄い脚でしたからね。完全に一頭だけ格が違いましたし、あれでもまだ遊んでいるという。
ただ、この馬は武井厩舎なんですよね。
シュトラウス、ハーツコンチェルトの武井厩舎です。
申し訳ないんですが厩舎力を信じることができず、大関評価から一枚落とすことにしました。
馬は大関評価です。
最後にダノンマッキンリー。
朝日杯では懸念された前進気勢から掛かって沈んでしまいましたが、秋明菊賞で見せた走りは確かな能力を感じさせるものでした。
距離的にはおそらくスプリンターでしょうし、父もモーリスですから3歳秋を楽しみにするのが良いでしょうか。まだ見限るのは早いですね。
NHKマイルCなら何とか勝ち負けできないかなと思います。
血統は父モーリス、母父Holy Roman Emperor(ホーリーローマンエンペラー)。
母Homecoming Queen(ホームカミングクイーン)は英1000ギニーなど短距離で活躍した馬。G1を6勝したDylan Thomas(ディラントーマス)の半妹にあたります。
Holy Roman EmperorはDanehill産駒なので、ダノンエアズロック同様にモリデイン配合です。
小結
小結の評価基準は、重賞で勝ち負けできるレベルという馬です。
G1だと中穴として人気するくらいのイメージです。
牝馬
まずはサフィラ。
父ハーツクライ、母Salomina(サロミナ)。朝日杯馬サリオスの全妹です。
ドイツSラインの血統で、加速には時間がかかるがスピードに乗れば鋭い脚を出す。
この牝系の特徴からこの馬も外れていないように思います。
距離は4歳秋とかの成長期を迎えれば2000以上が良いと思いますが、それまでは世代戦以外での2000以上は向かない気もします。
同じハーツ産駒のルシフェルとは比べられるかもしれませんが、私はルシフェルの方が上の評価です。
次にボンドガール。
この馬が世代で一番と思っている人も結構いるかもしれません。それだけあの新馬戦は凄かったですからね。過去のG1を何勝もしたような馬達の新馬戦とも比較にできるほどです。
ただ私はチェルヴィニアの方が上だと思っています。コラソンビートも新馬戦とは馬が変わっているので格付けは済んでいないです。
血統的には、この馬はダノンベルーガの下になります。
ハーツクライ産駒のダノンベルーガに比べて、ボンドガールはダイワメジャー産駒。
パワーの要素は大きくなり、早熟になり、それから距離は短くなっている……可能性が高いです。
ここからどこまで上がり目があるかも怪しいなと感じているんですよね。
それでも3歳春なら全然勝負になると思いますし、そもそもの素の能力値が非常に高いので、小結の評価です。
牡馬
正直なところ贔屓交じりの評価ですが、ダノンデサイルも小結の評価。
京都2歳Sではシンエンペラーと通ったところだけの差。能力には問題ありません。
安田(翔)厩舎と横山典弘という定番のタッグで、少しずつ競馬を教えながら堅実に成長しています。
人気を集めて突き抜けるほどの実力はないかもしれませんが、隙があれば割り込んでこれるくらいの下地はできていると思います。
血統は父エピファネイア、母Top Decile(トップデサイル)、母父Congrats(コングラッツ)、母母父Forestry(フォレストリー)。
母父Congratsは米国中距離馬で2000m。ダートでなのでスタミナはある方です。
母母父Forestryは米国マイラー。
ぶっちゃけると、どちらも実績はそこまでです。
ただ母Top DecileはBCジュベナイルフィリーズで2着に入った能力があり、3歳で早々と引退しているのは気持ちの問題だそう。良血ですね。
エピファネイアは早くから身体を作れますし、それでいて長い距離を得意とするので、この馬も2000以上なら世代でも信頼できると思います。次走は京成杯の予定ですが、ジュンゴールドやアーバンシック相手にどこまでやれるか楽しみです。
次はシュトラウス。
持ったまま千切る鮮烈な新馬戦、引っかかるも強さを見せたサウジRC、モーリス産駒の2歳重賞初制覇となった東スポ杯2歳S、そして暴走して沈んだ朝日杯……。
能力はあるはずなんですけどね。
血統は父モーリス、母ブルーメンブラット。Sunday Silenceの4×3。
母ブルーメンブラットは阪神C3着、VM3着、マイルCS1着と、4歳の秋から本格化して速い上がりで結果を出した差し馬です。
気性の難しさはありますが、両親ともに4歳から本格化していますし、時間はかかるかもしれませんが立て直してほしいと思っています。
クラシックを走れるかは分かりませんが、まぁイクイノックスは東スポ杯から直行したわけですし、可能性がなくはありません。気性もありますしNHKマイルCが目標になるんでしょうか。
三役最後はエコロヴァルツ。
朝日杯では最後方から追い込んで2着。展開がハマったともいえますが、他馬とぶつかって位置が下がったことを考えればラッキーとも言い難いです。
血統は父ブラックタイド、母父キングカメハメハ、母母父A.P.Indy。
ブラックタイド×キングカメハメハは平地と障害でともに実績のあるタガノエスプレッソと同じ配合。
距離は2000は欲しいと思いますし、皐月賞は楽しみです。
ただいかんせんこの馬にはスケールを感じないので、この評価です。
前頭
前頭の選考基準は、現時点で実績はないがクラシックに参戦してくるだろう素質馬です。
前頭に関しては、能力は大関や関脇や小結クラスだと思っても新馬戦勝ちしかなかったりと実績がなければノミネートしているので、これはそのままの能力格付け評価ではないです。
走りはレースを見てもらうとして、血統だけの紹介とします。
牝馬
アルセナール。
父エピファネイア、母サンブルエミューズ。ナミュールの半妹です。
Sunday Silenceの4×3なので気性が心配されるところです。
ナミュールもラヴェルもゲートは早くない馬ですし、出遅れを押してかかるような負け方は見たくありません。
姉ナミュールは古馬になってから本格化しましたが、あちらは父Harbinger。
エピファネイアなので本馬の方が仕上がりは早いでしょう。
距離は1600~2400。直線競馬に強いタイプなのでオークスで楽しめるでしょう。
ミエノジュピター。
父Bricks and Mortar、母父アグネスタキオン、母母父Helissio(エリシオ)。
HelissioはジャパンCでも馬券になった仏国の凱旋門賞馬。
あのサウジRCで同厩のゴンバデカーブースが快勝した日に新馬戦で勝ち上がった馬です。
一緒に三頭併せの追切をしていたので厩舎でも期待されている一頭ではあるのでしょう。
次走報がまだ来ませんが、クイーンCとかだと楽しみです。
ガルサブランカ。
父キズナ、母シャトーブランシュ。イクイノックスの半妹です。
流石にイクイノックスと比較するのは酷だなと思います。
血統的には母父キングヘイロー、母母父Tony Bin、母母母父Alleged(アレッジド)、母母母母父Nureyev(ヌレイエフ)といった部分が良いなと思います。
イクイノックスも血統が綺麗なんですよね。バランスが取れていて推せる血統です。
長い脚が使えて府中向きで成長力もある。
イクイノックスとの違いは父がキズナという点で、牝馬なのでこれは大きなプラスですね。
まだまだおさない部分がありクラシックに間に合うかは分かりませんが期待できます。
距離としては1600~2000でしょうか。秋華賞で期待したいです。
牡馬
トロヴァトーレ。
父レイデオロ、母父Empire Maker、母母父スペシャルウィーク、母母母Soninke(ソニンク)。
父レイデオロは仕上がり遅めな上に中山が得意という状況ですが、母父Empire Makerがそういった部分はカバーしているのでしょう。
Soninkeは優秀な牝系として知られており、この馬も牝系がかなり背中を押していそうです。
レイデオロの運命すらも委ねられていると言っても過言ではないほどの馬ですが、サトノクラウンにとってのタスティエーラになれるでしょうか。
バードウォッチャー。
父はブラックタイド、母は三冠牝馬アパパネ。アカイトリノムスメの半弟にあたります。
アパパネって産駒が全頭勝ち上がっているんですよね。マカヒキ産駒にも期待です。
京成杯でジュンゴールドやアーバンシック相手にどんな走りをするかが楽しみですね。
距離は2000以上あった方が良いと思います。
ニュージーズ。
父リアルスティール、母Musical Way(ミュージカルウェイ)。
ミッキークイーンの半妹、ブレイディヴェーグも近親です。
ブレイディヴェーグはロードカナロア×ディープインパクト×Musical Way。
ロードカナロアはキングカメハメハ×Storm Cat(ストームキャット)、キングカメハメハはその父Kingmambo(キングマンボ)。
リアルスティールはディープインパクト×Storm Cat×Kingmambo全妹(Mr.Prospector×Miesque)という血統ですので、所謂カナロア×ディープの配合とリアルスティールは似ているんですよね。
つまるところニュージーズもブレイディヴェーグにかなり血統が近いということです。
リアルスティールは仕上がり遅めですがニュージーズは現時点でかなりの器を感じさせており、ゆくゆくはG1を勝って種牡馬入りもしてほしいと願う血統です。
ノーザン×キムテツ×ルメールですし、既にそれを期待しての配置かもしれません。
ビザンチンドリーム。
父エピファネイア、母父ジャングルポケット、母母父French Deputy(フレンチデピュティ)。
母母母フサイチエアデールは桜花賞2着、エリザベス女王杯2着もある重賞馬です。
東京2400に適した血統で、新馬戦でもどこまでも走らんという競馬でした。
気性は確かに気になりますが、共同通信杯でダノンエアズロックとぶつかるのが楽しみです。
べラジオボンド。
父ロードカナロア、母父Dubai Destination(ドバイデスティネーション)、母母父Shareef Dancer(シャリーフダンサー)。母はイタリアの重賞勝ちの実績があります。
Kingmamboの3×3という攻めた配合ではありますが、24世代カナロア産駒の中ではこの馬が一番クラシック向きだと感じています。
Dubai Destination自体は普通のマイラーですが、その先がShareef Dancerなのが良いですね。
ロードカナロア産駒は一般に短めの距離に実績が偏っていますが、この血統なら2000まで走れると思います。
おわりに
まだまだ紹介しきれていない馬、そもそもまだデビューしていない馬がいます。
前者なら、例えばショーマンフリートやゼーゼマン。
後者なら、例えばロストシークレットやシャハザマーンなど。
半年後のダービーをどの馬が先頭で駆け抜けるのか。
モーリス好きとしては、やはりダノンエアズロックにダービーを取ってほしいです。
せっかく書いたので、2024年末にこの番付の反省会でもしましょうかね。
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