競馬歴は2020年のクラシックからなわけですが、最初から今くらい熱中していたわけではなく、G1だけ、重賞だけ……と少しずつ知っていき、新馬戦から世代を追いかけ始めたのは2023世代から。
ノッキングポイントやモリアーナを覚えていますね。特にモリアーナの新馬戦は単勝500円を買っていたので印象に強く残っていて、今でも応援している馬の一頭です。
さてそういうわけでPOGも2023世代から始め、今年で3世代目となります。
2023世代ではリバティアイランド、2024世代ではダノンデサイル、という風に2年連続でクラシックホースを指名できたので(これは本当に偶然です)、是非3世代目もといきたいところです。
ただ基本的にはクラシックを本気で当てに行くというよりも、興味深い馬を追いかけたいという意味合いが強いです。そのため毎年10頭の指名馬はそれぞれ別の種牡馬から選ぶという自分ルールを作っています。
ではさっそく紹介していきます。
選んだ10頭の種牡馬
10頭の種牡馬、今年はほとんど新種牡馬にしてみました。
・ルヴァンスレーヴ
・サートゥルナーリア
・フィエールマン
・ナダル
・スワーヴリチャード
・ノーブルミッション
・シスキン
・アドマイヤマーズ
・モズアスコット
・キングマン
レヴァンテシチー
ルヴァンスレーヴに対してはダートが主体となりつつも芝馬も出せるのではないかと思っています。牝馬よりは牡馬の方が期待したいかなと。距離も母によってマイルから中距離までいけそうです。
産駒はSunday Silence(サンデーサイレンス)が4列目になるということもあってサンデークロスが非常に多かったのですが、これは日高の需要の問題ですかね。サンデークロスを作りやすいエピファネイアやモーリスは種付け価格が高いので、こちらに一発を期待して牝馬が集められたのでしょう。
個人的にサンデークロスは好ましく思っていないので、今回はサンデーのクロスがない馬で探しました。でもしっくりくる馬が少なくて少なくて……。苦しみながら選んだ馬です。
母Beverage Queen(ビヴァレッジクイーン)は実績ないですし、持ち込みと思われる上の産駒も3戦して全く走れていないんですよね。まぁこれは流石に配合が日本に不向きすぎるよなと思いますが、しかし参考にできない感じの成績。
もっとも母の1歳下の半妹はBCジュベナイルフィリーズを勝っていますし、リアアメリアを出すなど母としての実績もあります。絶望するほどではないと思いますね。
母父Indygo Shiner(インディゴシャイナー)は一介の重賞馬ですが、その母が名牝Toussaud(トゥーソード)の全姉。Bold Ruler(ボールドルーラー)とBuckpasser(バックパサー)を強調している配合で、Seattle Slew(シアトルスルー)やIn Reality(インリアリティ)も持っていて日本競馬には向いていると思います。
母母父Mr.Greeley(ミスターグリーリー)はスプリンターで、Bold Rulerの4×3という配合。
母母母父Polish Numbers(ポリッシュナンバーズ)はDanzig(ダンジグ)にBuckpasser。
全体的にBold RulerとBuckpasserを繰り返す形でバランスを取ろうとしていて、早熟性と持続力という印象です。クラシックに間に合わないということはないかなと。
父ルヴァンスレーヴはその父シンボリクリスエスが母父父にSeattle Slewを持っていますし、自身の母母父Timber Country(ティンバーカントリー)はコパノリッキーの母父でチュウワウィザードの母母父という日本ダートで信頼できる血統。
このTimber CountryはプリークネスSを勝っている米国中距離馬で、母が名繁殖のFall Aspen、父はWoodman(ウッドマン)。WoodmanはPolish Numbersの近親でもあります。
したがって本馬でも薄くではありますがBold RulerとBuckpasserを改めて交配している形になり、少なくとも半兄よりは走れるんじゃないかと思います。Sunday Silenceがあるかないかの差は大きいですしね。
私は嫌ってサンデークロスのない馬から選びましたが、牧場からすれば常にアウトブリードを続けるのは難しく、このクロスの上振れを狙わざるを得ない部分もあると思います。期待されているようなダート三冠での活躍ができれば、ロベルトから新たな父系として広がることになるかもしれませんね。
母父としての方が活躍しそうな感じはどうしても有りますし、それを見越すとサンデーのクロスはやはり避けたいところではありますが。
オーサムウインドの2022
POGでは逆張りしてノーザン産のいかにも走りそうな馬は指名したくない私ですが、この馬はノーザン生産の上村厩舎らしいです。ブログを書きながら気付きました。セレクトで6000万とは評価されていますね。
サートゥルナーリアは期待の高さの割には活躍しきれなかった馬でしたが、シーザリオ産駒のエピファネイアの活躍もあって種牡馬として大きな期待を集めています。
サートゥルナーリアは父がロードカナロアな分だけエピファネイアよりもスピードを供給できるという見方もできますし、中距離も期待できるロードカナロアだという見方もできます。
正直、私は様子見しています。もちろん集めている繁殖的にも活躍はするでしょうけど、同じシーザリオならエピファネイアの方が良いのではないかと。シンボリクリスエスよりもロードカナロアの方がキンカメ系にしては自分の特性を強く産駒に反映させるタイプですし、そこまで早熟にならないのではないかとも感じているんですよね。
ただ、もし仮にそうであるとした場合、母父ディープインパクトとの相性はプラスに出てくるのかもしれません。
まず母父ディープというのは父ディープよりもディープの母Wind In Her Hair(ウインドインハーヘア)の部分が表われがちというか、当然ですが母父がディープインパクトということは父は非サンデー系であることが多いので、サンデー直系に比べてスピード負けしてしまうことが多いように思われます。
しかし父方にサンデーが薄い、もしくは存在しない場合は話が別で、ゴンバデカーブース、マスクトディーヴァ、ステラヴェローチェと速い上がりを使えている馬も多数輩出されています。
ことロードカナロアの場合は顕著で、レッドモンレーヴ、ブレイディヴェーグ、アドマイヤハダルなど上がりに自信のある馬も少なくありません。
これはそもそもサンデーフリーのため母父サンデー系だとシンプルに走るというのに加えて、ロードカナロアは母父がStorm Cat(ストームキャット)であり、父父KingmamboがMonevassia(モネヴァシア)の全兄となることから、リアルスティールに似た配合となるんですね。
したがってロードカナロア×ディープインパクトは基本的に私は評価していて、ロードカナロアの晩成であるところをWind In Her Hair牝系のディープインパクトでは補えないという弱点はありますが、そこはサートゥルナーリアの場合はシーザリオを一頭入れていることで多少はマシになるかなと。
同じシーザリオであるエピファネイアからは、母父ディープでアリストテレスやオーソクレースが出ていますし、サートゥルナーリアに中距離適性を強く持たせる意味でも母父ディープとの可能性に期待したいと考えています。
オーサムウインドの2022に話を戻しますが、牝系にも期待が持てます。
祖母Awsome Feather(オーサムフェザー)はBCジュベナイルフィリーズを制した米国馬で、父方にはAwsome Again(オーサムアゲイン)にLyphard(リファール)にAffirmed(アファームド)、母父にはGone West(ゴーンウェスト)にVaguely Noble(ヴェイグリーノーブル)と血統のバランスが取れています。
Awsome Fetherは日本に輸入されて活躍馬を多く出しており、私は去年のPOGでもアルアイン産駒の枠でテリオスルル(祖母Awsome Fether)を指名しているくらいには期待している牝系です。
夏から秋にデビューして、まずはどれくらいの末脚が使えるかを見てみたいなと思います。
ビリングス
この馬もノーザン生産。シルクで8万×500口の4000万円で募集されて手塚厩舎みたいですね。父と同じ厩舎に入るのは期待の表れと見ても良いでしょうか。
父フィエールマンはディープインパクト産駒の中では母方に米国系でなく欧州系の血統を持った馬です。菊花賞と春天の連覇という長距離G1を3勝していますが、アーモンドアイの秋天では32秒の脚を使うなど中距離でもトップクラスのスピードで戦えたと言えます。
母父Oasis Dream(オアシスドリーム)は下記のDanzig系の記事でも紹介しています。
Danzig系の中でもスプリント色の濃い馬で、だからか母トレジャーステイトも1400の馬なんですね。
フィエールマンを2000のスピードもある長距離の馬として捉えたときに、母方には米国のミスプロ系や欧州短距離のDanzig系が欲しいなと考えて探した結果、この馬に行きつきました。
フィエールマン自身が欧州血統なことを踏まえて本当はStorm Catが欲しいところではあったのですが、この馬もOasis DreamにForty Niner(フォーティナイナー)があれば足りるでしょう。
後ろからにはなるかもしれませんが、上がりは使えそうですし、東京のワンターンのマイルで戦えたらいいなと期待しています。
ヒデノブルースカイ
Nadal(ナダル)は米国のスピード馬。4戦無敗のまま早期引退しているので競走能力は正直わかりませんが、牧場の評判も比較的良いらしく、ダートでの活躍が期待されます。距離は中距離もいけるでしょうし、ダート三冠を狙う馬も現れるでしょう。
Nadalの父Blame(ブレイム)はBCクラシックでZenyatta(ゼニヤッタ)に土をつけたことで知られる馬ですが、G1を複数勝利しているダート中距離の実績馬です。馬名は直訳すると「責める」とか「非難」といった意味の言葉で、いったいどんな思いで自分の馬にそんな名前をつけたんでしょうね。Zenyattaを破ったことで、まさしくこの馬は責められることになったわけですが……。
NadalはSeattle SlewやPleasant Colony(プレザントコロニー)らを持つことから持続力は期待できるということで、母方にはスピードや芝適性やパワーを求めてみました。
ヒデノブルースカイはモーリス産駒の半兄にアルトゥームもいるスリープレスナイトの牝系で、まず芝適性が期待できます。ディープインパクトにクロフネとくればスピードとパワーも期待できるでしょう。
キレは厳しいかもしれませんが、阪神が回収されて京都開催になることもありますし、スピードで押し切っていけるでしょう。きっと。
メイショウアゴナス
スワーヴリチャードは早熟かつ2000までが基本というのが現状の共通認識かと思いますが、その軽さと早熟さを補強する方向で考えてこの馬を選びました。
母はカンパニーの半姉という日本有数の牝系。母自身もダート中距離で息長く走っています。
これは母母母父のノーザンテーストの影響でしょうか。
母父French Deputy(フレンチデピュティ)はパワーを補強して持続力を伸ばしてくれるでしょうし、母母父ダンスインザダークもスタミナとスピードを伸ばしてくれそうです。
母母父にダンスインザダークというのはアーバンシックやレガレイラとも共通するので楽しみですね。
馬体を見ていないので芝ダートどちらに出るか分かりませんが、芝に出てくれた方が嬉しくはありますね。
リアライズハロック
Noble Mission(ノーブルミッション)は21世紀有数の名馬Frankel(フランケル)の全弟で、自身も欧州芝中距離で実績を残しました。
兄に比べて重い馬場が得意というGalileo(ガリレオ)産駒らしさのある成績なこともあってか日本にやってきた馬ですが、種牡馬としての能力は蓋を開けてみないと分からないですし、Frankelが日本でもG1馬を輩出していることを思えば期待する価値はあるでしょう。
血統的にはいわゆる「ガリデイン配合」で、母母父Rainbow Quest(レインボウクエスト)は最近もアスクビクターモアの母父だったほかソールオリエンスの母方にも流れている血統で日本競馬での実績は十分。
Noble Mission自身の成績が反映されるなら中距離のタフな馬ということになるでしょうか。牡馬の方が期待できるかなと思います。Frankel産駒は日本競馬だと気性の面から短めな距離を走っていますが、Noble Missionはむしろ短い距離はスピードが疑問視されるかもしれませんね。
本馬の場合は母父キングヘイロー。イクイノックスやピクシーナイトなど注目を集めている血統で、高い持続力を持たせてくれることを狙えます。
母母父はステイゴールド。小さい馬を出しがちなことから母系としては期待しにくい馬ではありますが、本馬の半姉にはドゥーラもいることですし、Sunday Silenceのスピードの供給を期待します。
兎にも角にもNoble MissionはFrankelとどう違うか、という部分に注目していきたいところです。
レッドエソール
Siskin(シスキン)はUnbridled’s Song(アンブライドルズソング)系の馬で、母父Oasis Dreamが出たのか早熟の短距離馬という成績でした。
早熟さで活躍馬を多数出しているUnbridled’s Songのほか、持続力のSeattle Slewや軽いスピードのGone Westにキレを出すSir Ivor(サーアイヴァー)に名牝Toussaud、そもそもアーモンドアイらを輩出しているBest in Showの名牝系であることなど期待できる要素が多いです。
もちろんOasis Dreamも上で紹介しているようにスピード馬で、Siskinは距離適性が足りるかという不安点はあるものの血統から言えば成功間違いなしの種牡馬だと思えます。
本馬の場合は母方も魅力的です。
母父ハーツクライはエフフォーリアやロードデルレイなど最近は活躍馬を出し始めていますし、母母父Miswakiは私が何度も言っているように高い持続力を持つ素晴らしい血統です。
そして母母母父Key to the Mint(キートゥーザミント)もRibot(リボー)系Graustark(グロースターク)にPrincequillo(プリンスキロ)という血統。
牝系が短距離みたいなので距離という部分では厳しいかもしれませんが、早いうちから活躍してくれるなら2歳戦から期待したいです。
コズミックダンサー
アドマイヤマーズはダイワメジャーの後継候補で、4歳で早期引退していることからも非常に楽しみにしている種牡馬です。若干、受胎率が良くないみたいで不安ですが……。
母がギエム。
オーサムウインドの2022の項目でも書いたように期待している牝系なので、楽しみです。
ちなみに母父のMedaglia d’Oro(メダグリアドーロ)は米国中距離馬で、怪物牝馬Rachel Alexandra(レイチェルアレクサンドラ)や香港の英雄Golden Sixty(ゴールデンシックスティ)らを輩出しています。
あまり有名ではないかもしれませんが、日本でもファントムシーフなどに流れているので、覚えておいて良い馬だと思います。
バイカターキンの2022
モズアスコットはMiswakiのクロスを持つFrankel産駒で、血統を見ても彼の走りを見ても適性が読めない馬で、正直これは走りや馬体を見ないと判断できない種牡馬です。芝か砂か、短距離か中距離か、どう転んでも不思議ではないですね。
ただ新種牡馬だとかなり期待している種牡馬で、是非とも重賞を勝ってG1にも参戦してくれたらなと思っています。
母父Empire Maker(エンパイアメーカー)はいまいち日本競馬で適応しきれない印象のある種牡馬成績ですが、私は配合がかなり好きで、Unbridled(アンブライドルド)にIn Realityを母父に持つToussaud。
本馬の場合はNorthern Dancer(ノーザンダンサー)がかなりの多重クロスとなりますし、きょうだいの成績を見てもダート中距離となる可能性が高いとみるのがいいでしょう。
Empire MakerはUnbridled産駒ではありますがUnbridled’s Songとは違ってLe Fabuleux(ルファビュリュー)の早熟性を出してこないイメージがあって、遅咲きの可能性も高いので正直POG向きではないですが、単純にこの馬を追いかけてみたいので指名しています。
成長を促すのもいいですが、数は使っていけそうだなとも思うので、過保護じゃない攻めたローテでもいいような気はします。
リーディアコナル
最後の指名は輸入馬から一枠。
Kingman(キングマン)は大好きな種牡馬で、まず名前がなんとなく好きという小学生男子のような理由が8割、血統が良いなというのが1割、末脚のロマンが好きというのが1割ですね。
日本でKingman産駒といえば私が大きな期待を抱いているシュネルマイスターが一番に挙げられると思いますが、彼はサンデーフリーなのが大きなセールスポイントです。サンデーなしで戦えた理由の一つが、おそらく多くの人がドイツSラインだったからだと解釈しているのではないでしょうか。
本馬もサンデーフリーで、しかしスピードの要素は母方にもしっかりあります。
まずは母父父のSmart Strike(スマートストライク)。とにかくケンタッキーダービーに強いと言われる血統です。出遅れ癖はありつつも良い脚をつかえていた馬で、母父Smart Strikeとしてはスターズオンアースがいます。
さらにはGiant’s Causeway(ジャイアンツコーズウェイ)やDeputy Ministerなんかも見えていて、Frankel産駒の半兄が絶望的に走れていないという懸念点こそありますが、期待したくなります。
ゲートを出て追走するというのがちょっと怪しい気はするんですよね、血統的に。
友道厩舎ということですし、なんとか2000くらいまで距離延長してこなせないかなと……。
最後に
POGも3世代目になりますが、相変わらずダービーが終わってから翌週までの1週間ではチェックできる馬の数に限度があって、血統をパッパッと見ていくしかできないのが辛いですね。
せめて馬体を見て良し悪しが判断できれば、そこで篩にかけることもできるんでしょうけど。
もっともっと勉強していきたいです。
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