2024年 皐月賞 予想

クラシックの第一冠である皐月賞は、私は一年で一番好きと言っても過言ではありません。

これまで無敗だったりする世代の有力馬たちが多くあたって、その力関係もわかりやすくなります。

今年の皐月賞は、例年以上の混戦と言われています。

まぁ混戦というのは2歳G1馬が年明け以降の重賞を圧勝したりでもしていなければ毎年言われがちな気もしますが、今年はそれでも全体的にレベルが高い印象を受けています。

長くなってしまうので、さっそく本題にいきますね。


予想

◎メイショウタバル
〇シンエンペラー
▲ダノンデサイル
△コスモキュランダ

印の上下は一応つけていますが、馬券的にはBOXで買おうかなと考えています。
単勝とか複勝とかはオッズ次第ですね。

メイショウタバルが予想外に人気しているので、ちょっと困りました。
6番人気の単勝18倍とかになるのかと……。

メイショウタバル

毎日杯を圧勝した馬です。
シンザン記念1着のノーブルロジャーに1秒差をつけています。

まぁ着差は馬場もあったので置いておくとして、勝ち時計が1:46.0
これはとんでもない時計ですね。良馬場だったとしても、明らかに早い。
しかもこの時計を逃げて自分でペース作って刻んでいますからね。

もう散々言われているでしょうが毎日杯の時計は物差しとして優秀で、この時計はG1馬内定と言っても良い水準です。シャフリヤール、キズナ、ディープスカイなどダービー馬級の時計ですからね。皐月賞とったら三冠まで見えてきます。

毎日杯だけが凄いわけじゃなくて、この馬の場合は調教も走りますし、毎日杯の前のつばき賞(1勝クラス京都1800)でも優秀なんですよね。なんでこの馬がこれまで話題にならなかったかって普通に負けているからですが、負けてるのはデビュー2戦でどちらもスローを後ろから運んでいます。そりゃ無理ですよ。

血統の話をしましょう。
父ゴールドシップ
母父French Deputy(フレンチデピュティ)
母母父ダンスインザダーク
母母母父Crystal Glitters(クリスタルグリッターズ)

まずゴールドシップって重馬場は別に得意じゃないんですよ。
日高の繁殖をつけていることもあって相対的に時計がかかった方が良いというだけで、重馬場よりも稍重や良馬場の方が成績良いです。荒れている馬場は走れますが重い馬場と速すぎる馬場は苦手です。

French Deputyは持続力型の馬です。
French Deputyはダービー馬マカヒキの母父というのが考えやすいです。あとはクロフネですね。クロフネ経由でソダシでもいいです。パワーを抱えていて、それがスピードの維持に貢献します。

ダンスインザダークも持続力型の馬です。
自身も菊花賞馬、産駒もザッツザプレンティなど菊花賞馬を輩出しており、基本的にはスタミナに寄与します。ただスピードも十分にあるので、重いということはありません。

Crystal GlittersはBlushing Groom産駒で、イスパーン賞を連覇したスピード血統。
日本に輸入されてマチカネフクキタルなどを出しています。フクキタルもそうですが中距離で速い上がりを使える産駒が多いですね。スピードを証明するように日本最速のカルストンライトオの母父でもあります。

なぜ母母母父まで紹介したかというと、そのCrystal Glittersが影響しているんじゃないかと思うからです。というのもメイショウタバルは毎日杯のラスト2F目で10.9という数字を出していて、これはなかなか出せる数字ではないんですよ。しかもゴルシ産駒ですからね。

重馬場だけというわけではないでしょうし(新馬戦は重馬場で負けてます)、逃げないといけないという馬でもないと思います。折り合いはカギになりますが、内枠になったこともありますし浜中騎手には思い切りの良い騎乗を期待したいところですね。

毎日杯の時計は本当に素晴らしいですし、調教でもダメージを感じさせません。仮に皐月賞で負けたとしても、G1を勝つまで買い続けて良いくらいの馬なんじゃないかと感じています。

シンエンペラー

過去に下記の記事でも触れている凱旋門賞馬Sottsass(ソットサス)の全弟です。

全兄のSottsassはMiswaki(ミスワキ)の持つ高い持続力のおかげで不良馬場の凱旋門賞を勝てただけで、仏ダービーをレコードで勝っているように基本はスピード馬なんですよね。

シンエンペラー自身も京都2歳S、ホープフルS、弥生賞と早い時計で走れていますよね。もちろん時計がかかってもやれるでしょうが、ドスローからの瞬発力勝負にならない限りは馬場が速くても問題ありません。というか陣営も言うように良馬場の方が嬉しいでしょう。

不安な点があるとすれば、鞍上が乗り替わっている上に坂井くんなんですよね。関西で武史が買いにくいように、中山で坂井くんは買いにくいですよ。騎乗経験が少ないですし。
差しに回らずに早めに前に出していければ心配ないんですが、位置が悪くなってしまうと怖いなと思います。

とはいえ、この馬は弥生賞で生で見た時に感動するくらいの風格を感じたので、ここも血統を証明するような走りを見せてほしいと思います。これまでと違って強く負荷をかけられるようになっているそうですし、Sottsassを見ても成長曲線は一気にぐんと上がっていく時期だと思うんですよ。成長した姿でリベンジしてほしいところです。

血統的にはSiyouni(シユーニ) × Sadler’s Wells(サドラーズウェルズ) × ドイツ牝系というのはG1を4連勝したマイラーPaddington(パディントン)やG1を5連勝したSt Mark’s Basilica(セントマークスバシリカ)らと共通しており、Sottsass以外にも欧州で実績のある血統と言えるでしょう。

Sottsassは上記の2頭に比べてMiswakiをもう一つ持っている分だけ仕上がりが遅くなってタフさがあるという印象ですね。シンエンペラーについてはSottsassよりもスピードの絶対値は高い印象を受けますし、日本で実績を出してドバイや豪州や香港に欧州と夢を広げてほしいです。

ダノンデサイル

私、この馬をPOG指名しているんですよ。血統が良いなと思って。

母は米国2歳G1馬。早熟ではありますが3歳以降走れなくなったのは気持ちの問題の可能性があり、早枯れかは分かりません。この馬を見る限り少なくとも3歳暮れまでは成長していきそうな気がします。

母父Congrats(コングラッツ)は米中距離馬。G1は2着まで。
フォーエバーヤングの母父でもありますし、ダノンデサイルにも見られるForestly(フォレストリー)との配合では米短距離G1馬Turbulent Descent(タービュレントディセント)も出しています。

適性としてはエピファネイア産駒なこともあり東京向き。
勝った京成杯を見ても僅差4着だった京都2歳Sを見てもエンジンがかかるのが遅いんですよね。まだふらついてたりもするし、パンパンに出来上がっているという馬ではありません。ただそれでも京成杯でアーバンシックに勝っているのは評価していいと思います。

この馬の場合、アーバンシックとの違いはコーナーでも加速できることだと思うんですね。エピファ産駒って中山の中距離は得意で、それってコーナーでの加速が効くからじゃないかなと思っているんですよ。先の有馬記念におけるジャスティンパレスのようなことにはならない。

今回、調教もいいです。
一週前も最終もウッド。ここだけの話、皐月賞は坂路よりウッドの方が成績良いです。えてして坂路乗ってる馬は体幹とか成長が足りてなかったり距離が短かったりするからということですかね。
まぁそれは置いておいて、古馬オープンのカレンルシェルブルを一週前には子供扱い。逆に最終は追い抜かずに我慢しました。完璧じゃないですかね。

サンデークロスを抱えていないエピファ産駒で、気性はいくらか大丈夫そうです。スタートは普通ですが過去に内枠になったときは遅れていて、だから今回外枠なのもプラスに捉えていいと思いますよ。中山得意なノリが取りたい位置をとれるわけですし、道中でも動きやすいですしね。これはエンジンかかるのが遅い馬なら好材料です。

距離は、私はダービーも菊花賞も行けると思うんですよ。逆に1600みたいなペースになると後ろからになってしまって苦しいかなと。前日夜現在では人気もそこまでなので馬券的にも期待しています。

コスモキュランダ

弥生賞の勝ち馬です。皐月賞ではまさかのモレイラ騎乗。

マカヒキ以来の弥生賞レコード。まぁあの週は馬場が重そうなのに時計は早いというよく分からないことになっていましたが、しかしレコードは凄いです。それもシンエンペラーに1馬身差以上つけてますからね。最後は脚色も同じくらいでしたし。

確かに所謂デムーロスペシャルではありましたが、この馬はその前の1勝クラスのレースでも上がり最速で中山2000を2分切って走っているんですよね。展開がハマっただけじゃないと思います。この馬に勝ったファビュラススターも扱いにくいところはありますが強い馬ですしね。

3戦目からは軌道に乗った成績で、京都2歳Sは騎乗の問題だと思います。

血統的には、まず父がアルアイン。
シャフリヤールの全兄で、皐月賞馬です。持続力が売りの馬ですね。

そして母Southern Speed(サザンスピード)はコーフィールドCなどを勝っている豪州の中距離G1馬。持っている血統もマリブSを勝っているSouthern Image(サザンイメージ)や豪州では有名なZabeel(ザビール)や言わずと知れたDanehill(デインヒル)がいますし、スピードスタミナともにクラシックに足りていると思います。

シャフリヤールもアルアインも、ディープ産駒のクラシックホースなのに古馬になってG1で勝っていますよね。この二頭の母Dubai Majesty(ドバイマジェスティ)って成長力あるんですよ。私は産駒にもそれは伝わるんじゃないかと思っていて、だからコスモキュランダも3歳春に重賞をひとつとっただけの馬では終わらないと思います。

あ、追切もいいです。自己ベストも出していますしね。

そして何よりモレイラです。
前走のイメージだけで「捲り戦法の馬なんだろう」というのは私は違うと思います。末脚比べは苦しいですが、モレイラなら早めに動いて足をのばす競馬やってくれるんじゃないかなと。菊花賞のタスティエーラとか素晴らしかったですよね。ファビュラススターとの1勝クラスとかは後方から追い込んでますし、捲らなくても戦える馬です。

ほか買うか迷っている馬

まずはジャンタルマンタル。
この馬、別に2000走れると思いますよ。気性がちょっと怪しくはありますが、まぁ流れるでしょうし大丈夫じゃないですかね。共同通信杯は遅すぎて何の参考にもならないです。むしろあの競馬で2着にきてるので私は見直しました。ジャックドールの一度目の秋天みたいな感じです。

不安点があるとすれば、川田がやたら距離はチャレンジだと言っているので下げてしまうことですね。それしちゃうと勝てないと思います。先行してこそでしょう。
ただ、この馬を買うなら同タイプのシンエンペラーだなと思います。どっちも買うかシンエンペラーだけ買うかです。迷いますけど、距離不安が語られている割には人気しているので、買わなくてもいいかなという気持ちになりつつあります。

それからミスタージーティー。
もう忘れられているのかもしれませんが、ホープフルSは騎乗の差だけでレガレイラとそう変わらないです。持続力勝負ならこの馬も期待できます。前走はポジションもとっていますし、ああいう競馬ができるなら中山2000は面白いんじゃないでしょうか。
結構買うか迷っていますね。現在単勝16倍の複勝5倍ということで、これなら買ってもいいかもしれません。

消した理由

レガレイラは、強いとは思いますけど脚質が後方からですし、ホープフルのようには届かないんじゃないかなと思います。ルメールでもないのに牝馬がこんな人気してたら買えません。枠が中の方なのも、もう後方一気しかないですからね。ミルコと一緒に動いたりするんでしょうか。今回のメンバーで勝てたら凄いと思います。

ジャスティンミラノは、終い重視の追切からしてダービーに向けた競馬をしてくると思います。血統も中山2000より東京2400ですし、1月ごろからTwitter(現X)では何度も推奨している馬ですが今回はよくて3着じゃないかなと。連対したらダービー内定ですね。

友道厩舎ですしドウデュースみたいに脚を測るかもしれません。そもそもこの馬テンは別に速くないですし。ただ戸崎ならポジション取るかもしれませんけどね。中山なら戸崎は上手いです。特に外枠はよくて、今回13番なので悪くないです。だからまぁこの馬に関しては三連複なら買った方が良いと思うんです。でもそれを言ったらレガレイラもだし、キリがない。だから切ります。

アーバンシックは、この馬を買うならレガレイラやジャスティンミラノを買うでしょうという考えです。騎手が武史なのは良いですけどね。なんていっても武史は皐月賞の成績が3戦2勝の勝率66%ですから(笑)。

ビザンチンドリームは、凄くいいと思います。まず名前がG1馬ですし、血統も好みなんですよ。ただやっぱりこの馬はダービーだと思うんですね。ここは買わずに様子を見たいと思います。あと追切的にこの馬あんま調子よく見えないんですよね。いやもともと調教走らない馬ではあるんですが。

人気の馬だとこのあたりですね。

最後に

黄金世代のモーリス産駒がクラシックにいないこと、とても残念です。

ダービーには参戦してくれたらいいな……。

それから、今回は勝ってほしい馬、勝ちそうな馬がたくさんいます。

レコードで走っている馬もいますし、ペースという部分は大きく関係するんじゃないでしょうか。ペースが原因で負けた馬や人気を覆して走った馬もいますし、本番でもスローしか経験してこなかった馬はどうなるか楽しみです。特にジャスティンミラノですね。

明日の今頃には結果が分かっていると思うと、楽しみです。

人馬ともに無事に終えてくれればと思います。

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