日本ダービーが終わりました。
レース自体はスローの流れになり、結果として前につけていた馬達による上位決着となったので、あまり快く思っていない人も多いかもしれません。
しかし個人的にはレベルが低いダービーだったとは感じておらず、また気持ちの良いレースだったなと思います。
馬券ですが、大勝利しました。
予想はほぼ完璧に当たったので、一安心です。
血統派としてクラシックは当てたいだの、ダービーは3年連続でプラス収支だの、当てる気マンマンだのと書いていましたからね。
私の無駄に長いブログをわざわざ読んでくれた方の中に、当ブログのおかげでダービー取れたという人が一人でもいれば幸いです。
もっとも競馬上手くないので基本的に私の予想は参考にしない方が当たると思いますが。
そろそろ振り返りを書いていこうと思いますが、今回の内容は下記のダービー予想記事をもとにしたものなので、良ければそちらもご覧ください。
印と結果
予想の印と結果はこちらです。
◎ダノンデサイル → 1着
◯シンエンペラー → 3着
▲ジャスティンミラノ → 2着
△コスモキュランダ → 6着
☆ダノンエアズロック → 14着
消1アーバンシック → 11着
消2レガレイラ → 5着
消3シックスペンス → 9着
消4ゴンバデカーブース→ 13着
消5ショウナンラプンタ→ 15着
消6シュガークン → 7着
消7メイショウタバル → 取り消し
気持ちの良い勝利でした。
現地には行けなかったのですが、ダノンデサイルが伸びてきたとき手が震えましたね。行きたかったな。紙馬券も買えていないので、そこだけが悔しいです。
レース全体の回顧
前半は超のつくドスロー。
この時点で後ろはもう厳しいですね。動ける馬と動けない馬とで明暗を分けることになりました。
後半は5Fにわたるロンスパ戦。持続力が試される形。
予想記事に書いた通りシャフリヤールの年に近いラップとなったのですが、前半はシャフリヤールよりも遅く、後半は同じくらいでした。
差し決着か先行決着かの違いや馬場の速さがあるので一概に全体ラップで比較はできませんけど、改めてシャフリヤールの年のダービーはレベルが高かったなと感じます。あの年はNHKマイルCと桜花賞もレベルが高かったですが、なんとなく今年のクラシックはあの年に近い印象を受けますね。
それでは各馬についてコメントしていきます。
1着ダノンデサイル
強かったですね。
勝ち切ってくれてありがとう。
どうして買えたかは予想記事を読んでもらうとして、それ以外の部分で勝因を考えていくと、やはりポジションと進路が挙げられますね。
内枠から出していって内前のポケットにスッと収まりました。あの位置はダービーに限らず競馬では基本的に強い位置で、あの位置を取れるかどうかも能力の一つです。
ノリはよくやるんですが、逃げるのかなというくらいの勢いで出していって、外から馬が来たのに合わせてちょっと下げるんですよね。下げるというか溜めるというか。
もちろんスロー展開を読んだことや思い切りの良さも褒められる部分ですが、一番は操縦性ですね。
これまでのレースで先行したり追い込んだりと色々な競馬を体験させてきたからこそ出来たことで、Sunday Silence(サンデーサイレンス)のクロスがないとは言え、乗り難しい馬が多いエピファネイアの産駒でやっているのは素晴らしいですよ。
それから、やはりノリと陣営の皐月賞での判断は素晴らしかったです。
ゲート前で異変に気付いたこと、それから直前での除外を自分から申し出たこと。
普通言えないですよ。
だってあの舞台を走れるのは選ばれた18頭だけの特権ですし、そこで走るためにこれまで心血を注いできたわけです。加えて馬主のダノックスはクラシックを勝ったことはありません。それにダノンデサイルは1億以上の価格がついた馬です。走るのやめますなんて簡単に言える数字じゃないです。
ノリは馬ファーストの姿勢を貫いてきた騎手で、時としてポツン騎乗など物議を醸したり敵を作ってきたのだと思います。一人の人間として何も思わないわけがないでしょう。というか馬に対する思い入れは、日頃から厩舎スタッフの仕事なども見てきているのだから我々なんかよりずっと強いはずです。
だからこそ、あそこで除外の決断をしたこと、そこから立て直してダービーの舞台に臨めたこと、そして勝ち切ったこと。これらは競馬の歴史に残る出来事だったと思いますし、そうして馬を大事にするノリのやってきた生き様とも言える姿勢を結果で証明したことは、カッコよかったです。
ノリの「馬は応えてくれる」という言葉は、心にきましたね。
釘の怪我一つで崩れたエフフォーリアや、違和感を感じながら走ってレース中に止まったタイトルホルダーの記憶も、まだ新しいですから。
2着ジャスティンミラノ
強かったですね。
結果として2着にはなりましたが、この馬のできる競馬は出来たと思います。皐月賞に比べて出来落ち感もなく、スタートは少し後手になりましたがすぐにリカバリーして、展開にも乗れたと思います。
捲ってきた馬に狙って被されたことは1番人気なら仕方のないことですし、その中で3着以下を離して2着に来ているのは立派だと思いますね。ただ負けたというだけで。
枠が勝ち馬と逆ならという意見はあるかもしれませんが、エフフォーリアのように内で包まれて位置を押し下げられたりソールオリエンスのように窮屈な走りになる可能性もあったので、私はそうは思いません。外めの枠で良かったなと思っているくらいです。
これまでのレースでも調教でも早めに仕掛けて最後は減速していたので、今回のラスト1Fでダノンデサイルに千切られているのは仕方ないかなと。極めて高いレベルの話ですが、長い脚が使えないタイプなのかもしれません。そうだとすると皐月賞のようにペースが速かったり小回りの方が強いかもしれませんね。
状態に関しては友道には謝らないといけませんね。めっちゃ良かったと思います。今回に関しては実力通りじゃないでしょうかね。ちゃんと2着に来てるんだから強い馬ですよ。
菊花賞も乗り方次第とは思うのですが、今回の結果を受ければ天皇賞(秋)に進むかもしれませんね。ロンスパ戦ならプログノーシス、キレ味勝負ならリバティアイランドと古馬にも強い敵がいますが、戦えるレベルにある馬だと思います。
3着シンエンペラー
強かったですね。(定型文)
スローからのロンスパというのは展開が向いたと思います。ようやくこの馬に展開が向いたレースに絶好調で挑めたことは幸運でした。馬場の速さとか問題じゃなくて、この馬はこれくらいはできる器なんですよ。
強いて言えばゲートをうまく出れなかったのが惜しかったですね。シックスペンスくらいの位置が取りたかったのですが、しっかり川田に取られてしまいました。あそこ取れていたら2着もなくはなかったです。最後の直線では右に左に走ってましたからね。
好きだし応援しているから厳しいことを言いますが、坂井くんの差しはまだまだだと思いますよ。追えているし馬が強いから足りてるだけで、進路とかタイミングは改善の余地が多々あると思います。もちろん本人は痛いほど分かっているでしょうけどね。
秋には愛チャンから凱旋門賞に向かうということで、ついに日本の調教の能力を世界に示す機会が訪れたわけですが、私としては日本競馬でしっかりとトップクラスの実績を出してくれたことがうれしいです。
海外生産の馬であることは、私は気にならないです。エルコンドルパサーだって海外血統ですしディープインパクトだってそうですし。というか欧州の名馬だって生産は米国だったりしますからね。でもこれまでの馬が違うのは日本競馬で結果を出していたこと。
まずは日本調教馬で勝ちたいところです。藤田と矢作と坂井のチームなら、やってくれそうな気がします。
4着サンライズアース
びっくりしました。展開が大きく向いたというか、展開が向くように自分で作れたのが大きかった。
この馬の調子が良いのは聞いていたのですが、こんなに走るとは思いませんでしたね。同じように長い脚が使えるコスモキュランダに先着しているのは評価できると思います。
血統の話ですが、この馬はレイデオロ産駒なんですよね。
種牡馬レイデオロの評価がこの4着で何か変わるということは残念ながら無いと思いますけど(致命的に牝馬が走れていないので)、しかし自身と同じように捲っていった馬がダービーで結果を出したことは、ほんの少しだけ心が救われるような、他人事ですがそんな気持ちになりました。
母父マンハッタンカフェは活躍著しい血統で、スピードの持続力に大きく寄与しています。活躍馬が多数出ているので今後も注目していきたい血統ですね。
ちなみに公開中のウマ娘の映画にマンハッタンカフェが出ていました。
祖母はHalwa Song(ハルーワソング)で、あの名牝ハルーワスウィートの母です。ハルーワスウィートとは異なるラインから活躍馬が出たことで、この牝系の注目度がさらに上がった形になりますね。
展開が向いたのでこれ以上の結果は望めないと思いますが、自分で展開を作れることは間違いなく強みで、再現性のある4着だったと思います。流石にG1はハードルが高いですが、重賞ならあるいはといったところです。
私が思っていたより強い馬かもしれません。皐月賞も不利のない条件でどうなっていたか見てみたかったですね。
5着レガレイラ・11着アーバンシック
レガレイラはよく頑張りましたね。
納得できていない人はいるかもしれませんが、私はよくやったなと思いますよ。
正直ルメールが乗ること以外はほとんど評価していなかったのですが、無欲の騎乗だったとはいえ掲示板まで来ているのは立派ですよ。むしろこの馬の凄さを示したと思います。
ほぼ同じ血統とされるアーバンシックとは、内を回ってこれたかどうかの違いかなと思います。2頭とも押して前にいける馬ではないですし、道中で動ける馬でもありません。無理やり動いても大阪杯のソールオリエンスみたいになるだけです。
それから危惧されていた距離ですが、やっぱり長いのかもしれませんね。あれだけスローで回ってきても最後脚色が一緒なので、使える脚が長くないか距離が足りていなかったかのどちらか。あるいは両方。
個人的見解としては、レガレイラは前者でアーバンシックは後者かなという考えになっています。
レガレイラはオークスで見たかったですね。おそらくはサンデーRの馬が本馬以外出走できなくなってしまったがゆえの参戦なのでしょうが……。
アーバンシックは、とりあえずこの馬のスタイルを崩すような競馬はしていないので、距離を戻して再始動を期待したいですね。乗り替わりになるかもしれませんが、個人的には武史に非はないと思っているので継続でお願いしたいところです。
6着コスモキュランダ
最期は脚が鈍ってしまいましたね。これはトップスピード不足とこれまでのローテだと思います。
やっぱりね、一戦多いです。
年明けに2000mを好タイム、弥生賞で2000mのレコード、皐月賞で2000mのレコードをクビ差2着。それでダービーを捲って6着なんだから馬はかなり強いですよ。
持続力勝負とは言いながらも前半スローだった後継ラップなので展開が向いたとは言いきれないと思います。捲りが中途半端という見方もあるかもしれませんが、ジャスティンミラノに外から被せるのは意図的な位置で、ミルコは戸崎を負かしにいったわけですね。
私はこの判断自体が悪かったとは思いません。もちろん結果としてミラノに先着され自身は掲示板を外しているので責められるのは仕方ないかもしれませんが、さらに外から捲ってコスモキュランダごと潰した池添を褒めるべきだと思います。
菊花賞に行けば人気を集めると思いますが、まずは順調に夏を越えてほしいなと思います。何やら宝塚を検討なんで話もあるみたいですが絶対にやめてほしいです。
14着ダノンエアズロック
印を回した馬の中では唯一惨敗してしまいました。
まぁこれは覚悟もしていた敗北で、その敗因も距離・気性・状態という懸念されていた3点がすべて出たものだと思います。流石の堀とモレイラでも無理でしたね。仕方ない。
位置がどうとか末脚がどうとかっていう何かを語るレース内容ではなかったと思うので、全く気落ちしていません。今後はまず状態を見てからになるでしょうが、個人的には毎日王冠に出てくれればと思います。あるいは新潟という選択肢もあるでしょうか。
夏を越えてどういった姿になるのかを楽しみにして待ちたいです。
そのほか
シュガークンは、デビュー時期を考えたらよくやれています。まだまだ先が見える明るい結果だったと思います。
シックスペンスはやはり長いですね。2000というか、マイルでしょう。
ゴンバデカーブースも同じく1600に戻して再始動ですね。
この2頭は全く参考外として良いと思います。
そのほかの馬も致命的に馬が崩れたという馬はいないと思いますね。そういう意味でも後味の良いダービーだったと思います。例年ダービーで燃え尽きてしまう馬もいますので、このあとも故障のニュースとかがないことを願います。
さいごに
クラシックは菊花賞まで続いていくので、世代の総論として番付の振り返りは年末に書ければと思います。ただ週末には新馬戦が始まるので一区切りなのは間違いないですね。
全体的にペース耐性や操縦性が問われるレースが多かったなと感じています。それがレコードの多さにもつながっているのではないかなと。
これは直線でごぼう抜きしてしまえるディープ産駒のような馬が減ったことや、米国血統の支配が進んだことが挙げられると思います。米国血統は持続力が強みの馬が多いですし、欧州馬に比べて追走力が売りです。
それから世界的な傾向としての距離適性の短縮化傾向も、やはり日本競馬に影響しているなと感じました。欧州と豪州は人気の種牡馬は短距離馬ばかりですし、米国はもともと2000までのレースばかりです。
こうした傾向を受けて距離が2000までの馬も増えていると思っていて、それは自然と2400以上のレースでのペースの低下になりますよね。今後もダービーではスローからのロンスパという傾向は続いていくと思います。
次回予想記事を書くのは菊花賞になると思います。
そちらでも当てられるように勉強していきます。
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