今までインプットをおざなりにして生きてきたことを反省し、アニメや映画やラノベを見てブログに感想と学びを書いていこうと思い立ちました。
そうして始まった【感想と学び】シリーズの25作目、ラノベ【魔女に首輪は付けられない 2巻】を書いていきます。
ネタバレもちろんあります。作品の説明は最低限にしかしません。
ちなみに1巻の感想はこちらです。
簡単な紹介
魔力のある世界で首輪をつけられた強力な魔女たちとともに捜査官をやっている主人公ローグの物語、第2巻。
1巻ラストで死んだ(ことになっている)相棒ミゼリアから代わって、前回裏切りを見せた「聖女」カトリーヌとコンビを組んで事件に挑む。
前回捕まえたはずの犯人や新たに現れた魔女を捕まえる秘密部隊「斬首部隊」とのなんやかんやを経て、ローグたちは事件を解決する。
意識的な疲労
この作品においてとても重要なことは、魔女たちは簡単に人を殺せるだけの能力を持っており、魔女となってからは不老であるために長い時間を生きていて(これからも生きていく)、そして人を殺した過去があるということです。
1巻において「聖女」カトリーヌは心優しいけれど少し抜けている描写を重ね、しかしラストにおいて彼女は他者を裏切りたくなる衝動が抑えられないという秘密を明かしました。それが1巻のサプライズだったこともあり、2巻目において相棒となった「聖女」に対して、主人公ローグと共に我々読者は「いつ裏切るのだろうか」というドキドキを常に持ち歩くこととなります。
一度裏切りを見せられてしまうと、彼女の裏切りを警戒してしまう。ローグの視点からのみ描かれているからこその恐怖であり、疑問。そこに読者が違和感なくライドできることは続編であることの強みですよね。1巻で実際に裏切られたという記憶があるからです。
解き放たれたミゼリアは一体何をしているのか、カトリーヌのことを信頼しても構わないのか、そして信用できない斬首部隊に命を狙ってくる犯人……。
主人公ローグと同様に読者も読んでいてストレスを感じるような構成になっていて、その疲労が最後に魔が差しそうになるローグに重なる。そしてそこから解放してくれたミゼリアという展開が心地よく印象付けられます。カトリーヌの癒しにも元気づけられ、サウナのような読書体験でした。
感想
面白かったです。これはハッキリと面白かった。1巻が73点だとしたら、2巻は89点。
どこで減点してんだよって、その11点のうち8点くらいは私がホラーもグロも苦手だからです。めちゃくちゃ個人的な理由。この作品アニメ化して欲しいし、やりそうだけど、もしそうなってもグロくて見れないかもなぁ。
ローグがとても良いキャラで、好感が持てますね。薄氷の上を歩いているような状況ですが、それでも彼なりに人を(魔女を)彼の目で見定めようとしているところ。
軽快なセリフや描写の読みやすさは1巻から変わらずで、カトリーヌがゆるふわ系であることからミゼリアが出てくると心が弾みます。カトリーヌでは人間関係的にはローグの優位にはあたらないですからね。振り回される系の作品では振り回してくれるヒロインが一番魅力的に映るものです。
とか言いながら私はカトリーヌが一番好きなんですけど、まぁその話はいずれ。
既に3巻が発売されたとのことで、次にラノベ調達に向かった際は忘れずに3巻も購入しようと思います。