感想と学び4作目「許嫁が出来たと思ったら、その許嫁が学校で有名な『悪役令嬢』だったんだけど、どうすればいい?」

今までインプットをおざなりにして生きてきたことを反省し、アニメや映画やラノベを見てブログに感想と学びを書いていこうと思い立ちました。

そうして始まった【感想と学び】シリーズの4作目、ラノベ【許嫁が出来たと思ったら、その許嫁が学校で有名な「悪役令嬢」だったんだけど、どうすればいい?】を書いていきます。

ネタバレもちろんあります。作品の説明は最低限にしかしません。


簡単な紹介

父親の都合で、成金企業の娘にして口と性格の悪さから「悪役令嬢」と呼ばれている彩音(あやね)と許嫁の関係になった浩之(ひろゆき)。

涼子(りょうこ)と智美(ともみ)という幼馴染の女子2人や同じく幼馴染である後輩の瑞穂(みずほ)など身の回りの女子から想いを寄せられつつも、浩之には自覚がない。

突然の許嫁という関係に戸惑いつつも受け入れて割り切った2人は同棲生活を開始し、それまで孤高の令嬢であった彩音に振り回されながらも浩之は楽しくデートを重ねていく。

恋愛感情はないとお互いに言いながらも、接していくうちに心が向かい合っていく。

タイトル長い

いやこれ今さらの話なんですけど、タイトル長いですね。

私はなろうに投稿したことがあるので(前回は削除済み)、長文タイトルに対して理解はある方だと思っています。ただやっぱ長いものは長いです。書籍化の際に名前変更とかってわけにはいかないんですかね。逆に普通のタイトルから書籍化の際に長文タイトルになった例は見たことがありますが。

読点が2回入るのは長いですね。さすがに……。

許嫁という関係性

年頃の男女の物語を書く上で、やはり両親という存在はノイズですよね。
というか子供を主人公にする場合は大人は少ない方がいい。大人は子供にとって答えを知っている存在ですから。

そこで両親に海外へ行かせたり、そもそも死なせてしまったり、夏休みだけの期間にして両親と引き離して祖父母だけにしてみたり、全寮制の学園にしてみたり、主人公に一人暮らしさせたり。
なんやかんやして大人のいない子供だけの生活空間を作り出そうと工夫していく。
多少強引でも読者側も察するというか理解してくれる印象があります。異世界転生もそうですけど、ラノベにはラノベなりに積み上げてきた伝統があって、お約束や決まり事も沢山あるわけですね。

それを今作では許嫁の関係にして、2人で同棲させたと。
最近はこの手の作品が増えた気がします。なんなら結婚してしまったりとか。
これってヒロインが誰なのか明確にすること、2人の関係性が近くないうちから常に行動を共にする理由付けが楽、とかとか理由があるんでしょうね。作り手側のね。

読んでいる感じとしては、許嫁という関係は2人が夫婦に至るまでに時間的余裕があるのが良いですね。そこは政略結婚との違いというか。
もちろんやっていることは同棲しているので夫婦なのと変わらないんですけど、形の違いは読み取り方や展開の僅かな差を生みますから。実際作中でも「将来的には夫婦の関係になる」ことを意識する台詞もありますしね。

ヒロインの数と属性

この作品、もともとなろう連載を書籍化したものみたいなんですよ。
だから続編もあって、2巻や3巻ももう発売されているんですね。ちなみにそちらも買いました。

許嫁というからにはヒロイン固定型の作品かと思いきや、幼馴染がいるんですよね。
それも「料理上手な小動物系」「スポーツ得意なボーイッシュ系」「快活後輩系」と3人も幼馴染。

遠く離れたところに住んでいる妹もいますし、作者って本当はそういうのが好きなのかなと思うレベル。
これWeb版残っていたりするんですかね。どこまで編集の手が入っているのか気になります。

彩音以外の幼馴染ヒロインたちはおそらく2巻以降で浩之に対してアクション起こすと思うので、そこを楽しみにしていきます。

感想

ぶっちゃけた話をすると、学びを得るのが難しかった。

これは作品が悪いのではなく、私が悪い。

学びを得ようという意識よりも読み進めることに気が向かっていた。
それじゃただ読んだだけで意味がないのにね。

強いて言えば、記号が多すぎると読みにくいなというのはあった。

ネット小説みたいに横書きだと感嘆符!も疑問符?もそこまで気にならないんですけど、縦書きだと少し浮いてしまう。
連続したりすると、若干のノイズになってしまう。
これってネット小説を書籍化するときの一番難しいところだと思うんですよ。

ネット小説だとむしろ感嘆符も疑問符も多めにあった方が文章に勢いつくし気持ち読みやすい。文字だらけの文章より改行多くて記号も多い文章の方がさらーっと読めて気分が良いんですよね。私も読者としてそう思います。
ただ縦書きの文庫になると話は変わってくる。改行が多いとページ数のわりに中身がスカスカに見えてしまうし、それはコスト的にも避けたい(埋め尽くせばいいわけではないですが)。加えて記号が多いと目についてしまう。私もより一層気を配っていきたいところです。

もう一つ、これも私は痛いほど分かることなのですが、会話において疑問符に疑問符で返すのが多いんですよ。これが結構気になってしまうというか、やはり記号の連続が文章だと浮いてしまうんですよね。

例えばこんな感じ。
「今日の夕食さ、何が良い?」
「卵焼きとかは?」
「えぇ~、それだけ?」
「卵焼きじゃ嫌?」
「もう一品何か欲しいな~、的な?」
はい、もうこんな感じで、実際の会話なら全然起こり得るようなものでも文章にすると疑問符ばっかになって目についてしまうんですよ。

上の例文だったら、例えば最後の「的な?」は、話者の温度感というかアクセントを読者に伝えたくて疑問符を用いているだけなので、なくても成立しますよね。
あとは3つ目の「それだけ?」も、例えば男子なら「それだけかよ」とかにすれば疑問符を使わなくて済む。2つ目の「卵焼きとかは?」も、女性なら「卵焼きとか、どうかな」みたいに疑問を投げかける言葉を用いれば疑問符外しても窺ってるのが分かりますよね。

あくまで自分が文章を書く時のための学びとしての話ですが、記号の使いどころは絞りながら効果的に選んでいきたいなと改めて感じました。

作品、面白かったです。
2巻と3巻も買ったので、近いうちに読みます。

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