感想と学び6作目「私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない」

今までインプットをおざなりにして生きてきたことを反省し、アニメや映画やラノベを見てブログに感想と学びを書いていこうと思い立ちました。

そうして始まった【感想と学び】シリーズの6作目、ラノベ【私の初恋は恥ずかしすぎて誰にも言えない】の3巻目を書いていきます。

ネタバレもちろんあります。作品の説明は最低限にしかしません。


簡単な紹介

言動が少しバカな以外は容姿も勉学も運動も完璧な男子・八隅千秋は、ある日目覚めると美少女になっていた。
一方、千秋の双子の妹である楓は男にこそなっていないが、女性との距離感に反応して陰茎が生えて勃起してしまう身体に。

双子を改造した犯人である長女の夕子の協力もあって春からの高校生活を始める二人。

「初恋がしたい」と意気込む千秋、そんな千秋に想いを抱く幼馴染のメイ、メイと千秋にいちいち反応してしまう自分を嫌悪する楓。

物語終盤、ついに我慢のきかなくなった楓を心配して千秋が追いかけると、夕子の改造によって性転換されてしまってから千秋のことが好きになってしまったと告白する。
対する千秋も楓のことが好きになってしまったと伝え、二人は抱き合って愛を通じ合わせる。

データが十分に蓄積されたからと夕子によって元に戻してもらえた楓は、千秋への感情もリセットされたと伝える。
女のままの千秋も言い返しはするが、感情はリセットされておらず。
また楓の方も本当に感情がリセットされているのかは……?

複雑な設定

主人公の男→女という性転換がまず一つ。
次にヒロインの楓が陰茎が生えるという、半ばの性転換要素。
加えてこの二人は双子。

正直、渋滞してますよね。
なんか設定ありきで後からストーリーを組んでいる感があるというか。

性転換している意味って、表面的には百合(女性同士)でありながら通常の異性愛でもあるという部分がこの作品では大きいのかなと思います。
もちろん「お兄ちゃんはおしまい!」の影響も大きそうですが……。

千秋と楓、どっちの設定が先に決まったんでしょうね。

「男が美少女になってしまう」を先に決めたのか、「妹に陰茎が生えてしまう」を先に決めたのか。
作者のこれまでの作品的には妹ものが多いので、妹主体でしょうか。

仮に妹の楓から決めたとすると、幼馴染のメイの存在ってなんなんでしょう。
少なくとも1巻の展開で必要なかった気もします。
いや第三者という意味では必要ですけど、主人公を好きである必要もないですし、美少女である必要もないですし(美少女であるに越したことはないですが)、何より楓が発情しなくていい。

あくまで私の個人的な感想なんですが、千秋にだけ我慢できなくなるとか、そういう方が良かったかなと。
やたらと女の子に反応してしまう自分に嫌悪しながら千秋に対しては好きになったから特に手を出したくない、という終盤の流れもそれはそれで良かったんですが、私としては好きな相手と何かをしたいと思うのは当然ですし「傷つけたくない」という観点から好きな相手に対して気持ちを強く抑えるというのはあんまりでした。

それはいわゆる男性的な格好良さかもしれないですけど、それなら女性のままでなく男性になってしまってほしいというか。
女性同士にした方がウケるっていうのは読者層的にそうなんでしょうが……。

感想

正直、面白くなかったです。

ギャグも別に楽しくなかったし、テンポが良いと言えば聞こえはいいですけど私は薄く感じました。

既にコミカライズも決まっているらしく、アニメ化すら企画段階で決まっていそうなシリーズですけど、この作者のネームバリューなしで(例えば新人の一発目の作品だったとして)どこまで人気になっていたかを考えると私は厳しいんじゃないかなと思います。

あと、これは編集の話なんですけど、文庫において文字の大きさを変えるとかってありなんですね。
これまで読んできたラノベにもあったような気もするしなかった気もしますが、今回それがすごく印象に残っていて。

小説って記号もあまり使えないし図も使えないし、当然ながら音もないし絵もほぼないし、それでどう表現するかを私は苦悩しているので。
なんかプロが

「ああああああああ!!!!!!!」

みたいな文章書いていると、しんどくなるんですよね。

「「「それはない」」」

とか。

反則とまでは言わないですが、それ許されるんだっていうか。
それを面白いとか分かりやすいと受け取る人もきっといるので、正解とか間違いとか卑怯とかそんな話ではなく、私の好みの問題です。

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