感想と学び37作目「流されないで、こっちを向いて」

今までインプットをおざなりにして生きてきたことを反省し、アニメや映画やラノベを見てブログに感想と学びを書いていこうと思い立ちました。

そうして始まった【感想と学び】シリーズの37作目、BL小説【流されないで、こっちを向いて】を書いていきます。

ネタバレもちろんあります。作品の説明は最低限にしかしません。


簡単な紹介

孤立したくない一心からウェイ系の友人に付き合っている心優しい大学生の主人公・花川が、同じ大学の同級生であるイケメン陰キャの黒沼と恋に落ちる話。

大学ではイケメンすぎて注目されるのが嫌という理由で芋っぽい陰キャに扮している黒沼だが、彼は夜にはBARで活躍しているバーテンダーだった。高身長でイケメンの彼と出会い、初めは怖がりながらも花川は彼に惹かれていき、黒沼の方も花川に溺れていく。

ウェイ系の友人・ハヤトにところどころで掻き乱されながらも、流されやすかった花川が最終的にはハヤト達にバシッと自分の意見を言い放ち、また黒沼とお互いの愛を伝え合ってハッピーエンド。

女性向けらしくと言うべきか、最後にはキスもセックスもする。

構成の分析

主人公・花川は犬系というか流されやすい、良く言えば心優しく悪く言えば自分を持てていない青年で、今の時代にふさわしい表現ではないかもしれないが随所に女性的な面が垣間見えるタイプです。

対して相手・黒沼は高身長で鼻筋も通っており誰もが認めるイケメン、クール系で大人しいが思ったことはハッキリ口にできるタイプで、男性的な像が投影されています。実際彼がリードしていくあたりは少女漫画の構図にも近いように思いました。

まぁ男性向けならヒロインがエネルギッシュですし、オタク向けとか関係なく基本的に小説においては主人公は受け身であることの方が多いと思うのですが(であればこそ勝負どころで主人公のアクションが映えるわけで)。

相手役がバーテンダーの恋愛小説は実は今作で初めて読んだのですが、さすが3Bなんて言われるだけあって恋愛向きな役職に感じました。提供するカクテルは料理に比べるとシンプルながらも花のようにメッセージ性のあるアイテムとして機能しますし、静かで落ち着いた雰囲気は特別な空間を楽に演出できます。店員と客という関係でありながらもマンツーマンで話すことに違和感もないです。

個人的に良いなと思ったのは花川が黒沼に誘われてBARに向かったのに偶然ハヤトと会ってしまって、またしても流されてハヤトと共に来店してしまい、雑に扱われているのに黒沼は店員だから何も言えないというシーンです。

そこで黒沼がカクテルにメッセージを込めて渡すのですが、そのカクテル言葉を知らない花川は気付けなくて、最終的に黒沼から「客に何も言えない立場が嫌になる。俺にこの仕事を嫌いにさせないでくれ」と言うんですよね。

これ凄く彼らしい発言というか、BARで働くのもいつか自分の店を持ちたいと夢見ているからで、クールながら自分をしっかり持っている彼らしいプライド(=花川が持ち合わせていないもの)を感じさせてくれますよね。

流されてしまっている花川と強引に振り回すハヤトを何度も目の前で見せられてきて、でも隠したり言い返したりするのは店員という立場から今回の彼はできなくて、やり場のない怒りから強く当たってしまう。もどかしいけどいじらしいみたいな、彼の強さを演出しつつ読者に愛らしさも抱かせてくれる。

良いセリフでした。

感想

前日に衝撃の脳破壊NTR快楽堕ちBADエンドの漫画を読んでいたこともあって、この2人が無事に結ばれたことが本当に嬉しいです。

やっぱね、ハッピーエンドが1番なんですよ。長らく思い合っている2人が結ばれてほしい。失恋は良いけど悲恋とかはしんどいんです。

今作の感想で言うと黒沼くんは私もかなり好きなキャラで、高身長のクール系で普段は陰キャで大人しいけど肉食的でイケメンなんて最高ですよね。でもリアルにこういう男の子いるんですよ。イケメンなのにあんま飾らないファッションしてて、溶け込んでいる。

男から見てもそういう男性ってやっぱ魅力的で、でもそういう子って優しいし頼りになるから人望あって誰とでも仲良さそうにできるけど意外と壁があるというか仲良い友人は少なかったりして。

まぁ実際にはめちゃくちゃ良い感じの女の子としれっと結婚してたりするもんなんですが、そういう子と仲良くなれたら認めてもらえた感みたいなのもちょっとありますよね。花川の気持ちは分かるなぁ。