2025年 皐月賞 振り返り

まずはお詫び。桜花賞は振り返り書きません。

あまりレベルも高くなさそうで、去年と同じようなものかなと。ここ数年の牝馬クラシックを見ていると、一時期のような牝馬が無双する時代は一休みしていますね。

これはまぁ圧倒的な存在のディープがいなくなって瞬発力型の台頭も目立つこと、キタサンやモーリスを中心に有力種牡馬にコルトサイアーが多く見られることなどが挙げられるかなと。

だからまたコントレイルやイクイノックスから持続力型の馬がどんどん出るようになれば、古馬混合GⅠで勝ち負けする中距離牝馬も現れるかもしれません。

牝馬は数年間も2冠3冠が連続しましたから箸休めに良いんじゃないでしょうか。

……もう一つ陰謀論的な話をすると、どうもアスコリピチェーノ然りブレイディヴェーグ然り、GⅠを取った牝馬が使い分けによってベストでないローテを選択させられていることもあると思います。

リバティアイランドやチェルヴィニアを恐れすぎているというか、リバティアイランドは2歳から早熟と語られていた馬ですし、チェルヴィニアだってクラシックの時点で負ける時は惨敗していた馬なのですから、そんな避けなくて良いと思うんですよね。

まぁ牝馬の話はここくらいまでにしておきましょう。

さて気を取り直して皐月賞ですが。

私、年初にこんなツイートをしていました。

辛い……。


結果

◎ヴィンセンシオ→9着
◯クロワデュノール→2着
▲キングスコール→7着
△マスカレードボール→3着
⭐︎エリキング→11着

うーん、よろしくない。

馬券的にはクロワデュノール固定で三連複と三連単を流してみたんですが、荒れませんでしたね。

まぁでも概ね人気順に来ていますし(ジョバンニは単勝こそついてますが連系は人気してました)、マジックサンズの上がり最速にびっくりしたくらいですかね。

個人的にはあんまり展開も結果もサプライズはありませんでした。

ヴィンセンシオ

うーん、やっぱね。状態良くなかったんでしょうね。

最終追い切りで何とか間に合ったのかなと思い、高速馬場の実績に期待してみたんですが、ずっとテンション高い上にレース序盤に不利を受けて、もうそこでほぼ終了。でもそもそも状態も間に合ってなかったのかもしれません。

弥生賞がああいう馬場になってしまったのもあり、元々脚が頑丈でもないので、具合が微妙と3月ごろに言われていた時点でダービー直行で良いんじゃないかと思っていました。そういうツイートもしました。でもやはりクラブ馬(しかも天栄が不振)となると、出るしかなかったんでしょうかね……。

しつこく書きますけど、競馬って走るのは馬なのでルメールだろうがモレイラだろうが無理なもんは無理。それだけですね。

素質は高いと思いますし成長の余地も残していると思うので、状態次第ではもう秋までお休みでも良いかもとすら思います。

クロワデュノール

惜しくも三冠ならず。まぁね、三冠なんてそう簡単に取れませんよ。かと思えばエアシャカールが三冠まで紙一重だったりするわけですので、巡り合わせもあると思いますが。

騎乗ミスと言う人もいるかもですが、これはエフフォーリアの日本ダービーみたいなもので、あそこで早め押し切りを狙うのは別におかしくないと思いますね。元々が持続力タイプなので、ミュージアムマイルのような瞬発力型と同じ場所から同じタイミングでスパートしたら当然前に出られてしまうわけで。

持続力型の馬が瞬発力型の馬に勝つには、ポジションが相手より前だろうが後ろだろうが先にスパートするのが必要だと思います。後ろからならマスカレードボールみたいな競馬になり、前からならクロワデュノールのようになり。

もしミスがあるとしたら4角でなくて向こう正面で捲りに巻き込まれてしまったことで、これは予想されていた事なのだから防ぎたかったですね。ジョッキーカメラを見ると完全にあそこでの乱ペースに巻き込まれていて、そこが最後の差に繋がったかなと。不利云々はジョバンニとかも凄いですからね。

前潰れの中で粘っていて強さを見せているだけにダービーではまた1番人気になるんだと思いますが、今回こういう負け方をしてしまったことで乗り方は難しくなったかなと思います。

まずダービーでは内に閉じ込められたくないでしょうし、でも高確率で捲りがあるにしろないにしろ被せようとする馬はいるでしょうし、その中で末脚自慢の馬に勝つには早めにスパートする必要がありますから。

ダービーでも今回のように先行押し切り競馬をするべきなところを、もし慎重になってしまったらまた差されかねないです。去年のジャスティンミラノのように外先行押し切りで運べば連は外さなさそうに思うんですけどね。

キングスコール

スタートと、距離と、調子と。

頓挫してない状態で見たかったですよね。もっとやれても良い馬だと思いますし、巻き返しに期待しましょう。次走は京都新聞杯を予定しているみたいですが、距離は疑問視されるだけに京都コースをうまく利用していきたいですね。

マスカレードボール

地力はあるんだろうな、という競馬でした。

ただ地力を結果に結びつけるのもこの馬は難しそうで、姉マスクトディーヴァが結局重賞馬で止まってしまったように、極端な大飛びの持続力型はそれこそディープのようにぶん回しで勝てるくらい能力が抜けてないと難しいです。

今回は先行できないと見るとコーナーでロスを減らしながら回って直線に賭けた武史の好騎乗でしたが、じゃあ後ろから伸びてるからダービー本命かって、そう簡単ではないと思います。そもそもこの馬に2400は長いでしょう。

中山が不得意なのはそうだと思いますし、こと中山に関しては武史騎乗はベストの選択だったと思います。ジャスティンパレスやアーバンシックを走らせている実績もありますしね。

その上で東京の方が馬が上向くのはそうでしょうが、のびのびと走らせる必要があるので戸崎の方が手は合っているように思えます。ただ戸崎はおそらくレイニングに乗ると思うので、ルメールはエネルジコでしょうし、レーンか武史なんですかね。

(追記)ファンダムがダービーに出てくるみたいなので、ルメール or レーンはそちらかも?

エリキング

内枠が全てです。窮屈だったしポジション上げられないし直線詰まるし。

この馬は距離伸びてよし、叩いてよし、大箱になって良し。完全なダービー向きではあるんですが、しかしあまりにも負けすぎだろという意見もごもっともだとは思うんですよね。ダービー馬が皐月で11着になるかなぁ……。(ロジャーバローズは14着ですが)

スタートして最初の直線で武史とバチバチやってましたね。あれはお互いに消耗してそう。まぁ何としても外に出したかった川田と内で少しでも前に出したかった武史が隣り合ってしまったのが運の尽きでしょう。制裁的には武史がアウトらしいです。

追走がまずしんどそうというか、少し促したくらいでは押し上げていけそうにない感じの手ごたえ。加えて直線でも理想の進路はマスカレードボールに取られてしまい、内に切り込んで無事に前壁。

そもそもが休み明けなので、追切でこそ動いていましたがレースはまた別ということでしょうね。リバティアイランドもそうでしたし、レースでしか得られない経験もあるということですね。

まぁいくらなんでも京都2歳からの直行は無理がありました。ホープフルからでも個人的にはどうかなと思いますし。桜花賞が阪神JFからの直行でも実績あるのは直線長くて差しが届くからで、皐月賞はペース流れて直線も短いので。

素質はこんなものではないと思うので、巻き返しに期待したいところですね。

消していた馬

ミュージアムマイル、買ってないの結構悔しいです。この馬の強さは認めていたつもりだったんですが。

なんかバイアスが強い上にヨーイドンだった朝日杯や叩きで稍重の弥生賞で過小評価されていたのに、モレイラが乗るからというだけで人気していて買えなかったんですよね……。

すみません、言い訳です。

真面目な話、予想でも書いたように瞬発力型なのでダービーはどうかなというところ。距離も気持ち長いですよね。Happy Trails(ハッピートレイルズ)の牝系なので頑張れるかもしれませんが、私は印を回さないつもりです。

ジーティーアダマンは前潰れだしノーカンで。仕切り直しですね。

ジョバンニは調子の良さが目立ちましたね。不利を受けても最後は脚を伸ばしてきて、偉い馬です。ダービーという感じはしませんが、向かわない理由もないですし出てくるでしょうね。

サトノシャイニングは大外枠からやれるだけのことはやれたかなという感じですが、クロワデュノールとの格付けは済んでしまった感もあります。距離も2000までな印象がありますが、ダービーでの人気はどうなるでしょうか。

マジックサンズは展開向いたとはいえ上がり最速6着の激走。元々ホープフル2番人気の馬に「激走」なんて言っちゃいけないかもしれませんが。

この馬もBallet Queen(バレークイーン)の牝系だったんですね。完全に見落としていました。皐月賞と相性が良い牝系ですし、パドックでも状態が良いと語っている人がいたので、それならこの走りもうなずけるところではあります。

まぁ、ダービーって感じはしないですけれども。キズナ×キンカメ×French Deputy(フレンチデピュティ)ですもんね。それで言えばミュージアムマイルもFrench Deputy持ちですし、高速ながらパワー型が強かったのかもしれませんね。やはり風の影響なのかな。

アロヒアリイは前有利を見越して捲りについていった結果。成長は先だと思いますし仕切り直しでしょう。

ファウストラーゼンは、まぁこの馬に望まれていたものはやったという結果でしたが、あれで勝ち負けできたら三冠級ですね。

感想

結構バイアスのかかっていた競馬だったと思います。

コース変わりの高速馬場、それでいて強風だし、更に捲りがくる。

特殊な条件ですべての馬が実力を出し切れたとは言い難いわけですが、エリキングやヴィンセンシオ以外の馬はまぁバイアスなくて万全でもどうだったかなという感じですね。

ダービーに向けて距離伸びた方が良いという馬があんまり多くないので、今年は別路線組も面白いんじゃないかと思います。

それこそ青葉賞に期待がかかりますね。

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