今までインプットをおざなりにして生きてきたことを反省し、アニメや映画やラノベを見てブログに感想と学びを書いていこうと思い立ちました。
そうして始まった【感想と学び】シリーズの19作目、映画【虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 完結編 第一章】を書いていきます。
ネタバレもちろんあります。作品の説明は最低限にしかしません。
なおアニガサキについては過去に2回「神回を見よう」シリーズで取り上げています。この映画も神回を見ようシリーズで取り上げても良かったのですが、とりあえず感想と学びの方で取り上げることにしました。
簡単な紹介
アニガサキシリーズの映画。3部作構成の1作目であり、侑と同好会メンバー12人のうち半数となる6人の合計7人。
スクールアイドルグランプリという投票制の大会に向けて沖縄に行っている歩夢、かすみ、しずく、彼方、エマ、ランジュの6人が活動していく。
かすみを除く5人のライブ、沖縄のスクールアイドルである天と小糸の仲直り、大会のスポンサーでもあるランジュ母とランジュの喧嘩と和解などが描かれる。
メンバー6人の選抜
まずメンバーを分割して6人ずつにしたのは英断だったと思います。そのための3部作。
他シリーズと違って虹ヶ咲はやはりソロのライブが必要になるので、13人で移動しても尺的に今回の5人くらいが手一杯でしょうからね。それならキャラも絞った方が焦点を当てられる。
この6人が選ばれた理由は分かりません。メタ的に人気キャラの分散とかもあるでしょうし、コンビ的なところもあると思います。学年でのバランスもあると思います。
ただじゃあこの6人で話を作ろうってなったときに、「エマと天」「彼方としずく」「歩夢とランジュ」というライブをした5人(ゲスト込み6人)が大きな軸として組まれていたのが良かったです。
神回を見ようシリーズのアニガサキ1期2話のところでエマと彼方は「自分だけではスクールアイドルになれない」と書きました。他者を見逃せないタイプで、だから映画でもエマはランジュと天に声をかけましたし、彼方は小糸に気づいてしずくも気にかけていました。
歩夢は「自分だけではスクールアイドルになれない」タイプの極致にいるキャラでした。1期ではその歩夢が動機を「応援してくれる人」としての一人である侑からファンのみんなへと拡大し、そして2期では同好会を越えて海外にまで足を踏み出しました。
対してランジュは「自分一人でスクールアイドルになれる」の極致にいたキャラであり、そんな彼女が真逆の歩夢に対してリスペクトを持っているというのは美しい構図だったなと思います。
海外からスクールアイドルになるためにやってきたランジュ(とエマ)だからこそ分かる、歩夢の行動の凄さっていうものがありますよね。そこを取り上げてくれたのが嬉しかったです。
ランジュは自分に絶対的な自信を持っているキャラですが、それは自分が褒められ慣れていて自分でも自分を褒めているからで、だから他者を褒めるのも得意なんですよ。
かすみという万能キャラ
今回かすみはライブシーンがなかったわけですが、これについては作中でも「真打は最後に登場する」って本人が言っているように、たぶん第3章でライブシーンがあるんでしょうね。
かすみって本当に便利で万能なキャラで、コメディもシリアスもできるし話も回せるし。一人で何でもできるのは凄いですよね。そんなかすみは同好会の中でもやはり一歩進んだ存在として描かれているんです。それはアニガサキ1期2話から一貫してます。
しずくや歩夢が「同好会のメンバーで競い合うことでバラバラになってしまわないか」を疑問に思っていたのは、自然な流れでした。1期で自由に表現するためにソロになり、2期でユニットを組むことは自由な表現を阻害しないと結論を出していた以上、再びソロとして活動することに対して理由は必要です。
でもかすみは、もうそのラインは超えているんですよね。「自分一人でスクールアイドルになれる」かすみですが、「自分一人でスクールアイドルになっても意味がない」ことが分かっているので、彼女が裏方に回っているのも役回りとして納得できます。
そんな彼女をちゃんと立たせる脚本も良かったです。
かすみってせつ菜と並んで一番スクールアイドルに対して真剣に向き合ってきたキャラなので上述したように一歩先に進んでいるんですが、その一方であんまり作中では外見が可愛いとか歌が上手いって評価は受けてないキャラなんですよね。それが今回も88位という順位に現れていて。
でもそこから動物をきっかけに順位が上昇すること、かすみ自身を褒めるコメントもちゃんとセリフとして用意されていて、こういう細かいところがアイドルものの作品では重要だなって感じます。アニガサキはこういうの絶対外さないですもんね。
ライブ演出が良い
ライブ演出が良かったです。本当に良かったです。
まず本当にアニガサキってソロ曲がどれも好きなんですよね。
しずくの爽やかなアップテンポの曲、彼方の声優泣かせの曲、エマちゃんと天ちゃんの三線も加わった曲。どれもいい。特にエマちゃんの曲本当に好きですね。
エマちゃんで和服と言えば哀温ノ詩ですが、今回は盛り上がるライブ映えのする曲で、どの曲もスクールアイドルたちが本気で勝ちに来ている感が伝わってきていいです。あと天ちゃんめっちゃ格好いい。
ちなみに三線(さんしん)って三味線(しゃみせん)とルーツは一緒で中国の三弦(さんげん)に由来するそうです(Wiki読んだ)。好きなんですよね、ああいう東洋系の弦楽器の音。琴とかのべんべんべんってやつ。
そしてランジュと歩夢ちゃん。お互いを意識しあったこの2人が映画としての山場なので、対バンみたいにそのまま繋げたのは興奮しました。曲もめっちゃいいですしね。
ランジュって「私」を歌った曲が多かったし、歩夢は「あなた」を歌った曲が多かったですが、今回はランジュが「あなた」を歩夢が「私」を意識したような曲だった気がして、それも凄く良かったなぁと思います。早く歌詞も見たいですね。
ダンスもなんですよね。歩夢ちゃんって比較的可愛らしい簡単なダンスが多かったと思うんですが、今回は難しそうなダンスをしていて、そこも良かったです。
良かったしか言えてないですが、良かったんですよ。
感想
いやね、良かったです。
本当に面白かったですし、満足しました。60分くらいあるとやっぱ見応えもありますしね。既に2回見てますが、まだ見に行きたいです。
続きはまだ先になるでしょうけど、必ず良いものを出してくれると信じているので、待ちます。もう残り2本の映画で終わってしまうんですし、全力のものが見たいですね。
それから、最後にキャラデザの話ですが……。
正直、私は元の横田さんの方が好きです。だから驚きはありましたし、ぶっちゃけ劇場で見てても違和感はまだあります。
別にけろりらさんのデザインが苦手とかじゃなく、思い入れの問題です。例えば女の子がイメチェンしたよって髪をバッサリ切ってたら、今の髪型も可愛いけど前の髪型に思い入れあるから少し寂しいなぁみたいな、そういう感じです。
キャラデザの変更って、軽はずみにできるものじゃないじゃないですか。そんなことをわざわざやっているからには、きっと何かしらの理由があると思うんですよ。
例えば版権を書きまくるから作業を分担するためだとか、先約決まっててどうしても変更できなかったとか、ぼざろで話題のけろりらさんのデザインにすることを条件に映画製作が認められたとか。そういう裏話がもしかしたらあるのかもしれない。キャラデザ変えるって相当偉い人のOKが出たうえで現場の納得も得られないと無理だと思うので……。
それにしても何か説明は欲しかったですよね。どんな理由であれ「面白い作品を作るために本人の了解も得ての決断です」と言ってくれさえすれば、それで納得できました。けろりらさんが結果的に矢面に立つ形になってしまったのは残念です。
でも、面白い映画でした。それは本当にそうですし、キャラデザが一番気になるのも冒頭の部室のシーンなので、やっぱり虹ヶ咲が好きな人には見に行ってほしいなと思いますね。
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