感想と学び15作目「どうせ、この夏は終わる」

今までインプットをおざなりにして生きてきたことを反省し、アニメや映画やラノベを見てブログに感想と学びを書いていこうと思い立ちました。

そうして始まった【感想と学び】シリーズの15作目、ラノベ【どうせ、この夏は終わる】を書いていきます。

ネタバレもちろんあります。作品の説明は最低限にしかしません。


簡単な紹介

小惑星の衝突によって人類が絶滅する可能性が高いとされている大胆な設定をもとに、現代の長崎を舞台にして高校生たちの物語を描いた作品。

いわゆるオムニバス形式で、いくつかの独立した章でそれぞれの主人公が存在し、同じ長崎の高校に通う彼ら彼女らが悩み考え踏み出す過程を繊細に切り取っている。

軸となるものの一つに映画があり、最終的には変わり者の女子高生・小林が映画を作って上映するに至る。

国連軍が小惑星の軌道をズラすために(つまり人類滅亡を回避するために)作戦行動をしているが、その成否は作中では明かされない。

感想

ごめんなさい、すごく面白い作品だったのですが学びを言葉にできなかったので感想だけで。

まず夏だからこそのノスタルジックな雰囲気がすごく良くて、長崎市なうえに廃墟とか人の少ない公園とか静かな舞台が選ばれていて、とにかく雰囲気が良かったです。

少しずつ登場人物がリンクしているのですが、各章の主役たちは直接登場するわけじゃなく、映画という軸で繋げているのが良かったです。

この小説が創作物というのを知っている我々としては映画制作に取り組んでいる姿に同様に客観視できつつ、映画で小林が目指していた希望の魔も感じさせられるのが、すごく良かったです。

最終的に国連軍の作戦や小惑星がどうなったかは描かれませんが、それは視聴者にお任せしますなんていう投げやりで無責任なスタイルなわけではなく、この作品において夏が終わった先の世界のことはどうでもいいからなんですよね。

チェーホフの銃というものだそうですが、創作においては基本的に登場するものは必要なものだと思いますし、逆に不必要なものは描写しなくていいと思います。

タイトルの通り「どうせ、この夏は終わる」ので、物語に続きがあるかはどうでもいいことなんです。映画においてEDの先を語る必要はないように、この小説において語る必要ないことなので。

あと、最後に菅谷で終わるのが凄くいいなと思いました。これまでは脇役だったキャラクターが感化されて動き出すのは、なんか映画のラストみたいでいいなと。

とっちらかっててすみません、良い作品だったんですけど少しラノベ感想から離れてて上手く書けなくなってしまった……。ここからまた復活していこうと思います。

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