24世代から始まった「勝手に番付」コーナー。
世代の2歳戦が終了した段階でクラシックについて書き、桜花賞および皐月賞前に中間チェック、そして3歳が終わった段階でクラシックについて振り返る。
ざっくり言えば世代の3歳としての1年を追っていくコーナーとなります。
今年はあまり2歳戦を追えていなかったのですが、この記事を書くために色々レースを見たりメディアの記事を追いかけたりしているので、結構自分のためにもなっているなぁと感じますね。有意義、有意義。
というわけで、大相撲の番付のような形式で世代の素質馬および期待馬を血統を中心に紹介していこうと思います。
※私の偏見で評価しているので、世間の評価と異なる可能性はあります。
25世代クラシック番付
早速ですが、2歳終了時点での番付はこちらです。
※1、芝クラシックを意識したものなのでダートは含みません。
※2、横綱と三役(大関・関脇・小結)は1勝クラス以上を走ったことのある馬に限定しています。1戦1勝の馬を除くための措置です。新馬だけの評価は難しいですし、2戦以上走って結果を出した馬に対するリスペクトのつもりです。
(逆に1勝クラス以上を走っている馬は前頭からは外しているので、前頭は番付から独立した期待している馬の紹介コーナーくらいに思ってください)
※3、牡馬と牝馬の番付の横の比較は、ある程度は意識していますが絶対ではありません。
牡馬 | 番付 | 牝馬 |
---|---|---|
クロワデュノール | 横綱 | マイエレメント |
ミュージアムマイル アドマイヤズーム デンクマール | 大関 | レイユール テリオスララ シホリーン |
マスカレードボール エリキング ヴィンセンシオ リトルジャイアンツ アルテヴェローチェ | 関脇 | アルマヴェローチェ コートアリシアン ブラウンラチェット ミストレス |
ナグルファル ジョバンニ ヒシアマン レッドキングリー ゲルチュタール | 小結 | カムニャック ショウナンザナドゥ ティラトーレ |
キングスコール ショウヘイ ファンダム エネルジコ レイニング | 前頭 | ロケベンドラ クライスレリアーナ インプロペリア ロートホルン マディソンガール |
いかがでしょうか。
当然だという部分もあれば、納得できない部分もあるかもしれません。
以下、1頭ずつ番付順に、簡単にではありますが書いていきたいと思います。
横綱
クロワデュノールはサンデーRの斉藤厩舎。東スポ杯からホープフルという王道ローテを連勝している2歳王者です。
はっきり言って抜けて強い馬で、現状この馬がクラシックの大本命。三冠もありえるという見方が私だけでなく多くの人の中で共有されているかなと思います。
父はGⅠ7勝の顕彰馬キタサンブラック。母父Cape Cross(ケープクロス)はあのSea The Stars(シーザスターズ)らを出した大種牡馬。母父としてはダービー馬ロジユニヴァースも出しており、父系としては日本競馬との相性は良くないものの母系に入ると頼もしい血統です。
余談ですがホープフルSの3着ファウストラーゼンも母母父にCape Crossを持っていました。なかなか日本競馬では珍しい出来事ですね。
近親の成績はおよそ1800から2000くらいで、母は英オークス2着という成績。この馬も本質的には2000くらいが良いのかもしれませんが、折り合いも問題ないですし世代戦ならまず2400も問題ないでしょう。
太め残りでも東スポ杯ではしっかり勝つ貫禄、ホープフルでは紛れさえなければ勝てるという友一の信頼の騎乗で危なげなく勝ち切り、それはまるで器の違いを見せつけるようでした。加速力、持続力、ともにクラシック大本命の水準でしょう。
何よりゲートを出るのも早いですし、好位につけて折り合い、コーナーも回れるというレースセンスの良さが光っています。現状ではなかなか負け筋が見えません。もっとも、そういう馬でも半分はころっと負けてしまうのも競馬なので結果はまだまだ分かりません。
マイエレメントは福永厩舎の期待馬です。
父は言わずと知れたエピファネイア。母父はディープインパクト。いわゆるエピファ×ディープの配合ですが、近親に活躍馬はいないようです。祖母が海外重賞馬ですが、母もきょうだいも活躍できていません。
牧場はオリオンファーム。実績馬はタイムトゥヘヴン。重賞も中央はタイムトゥヘヴンのみということでGⅠ勝ちはありません。
近親に活躍馬はおらず牧場も日高の中小。そういう馬がセレクトセールで3600万の値をつけられ、クラシックで活躍したら激アツじゃないですか?
私はエピファネイアなら、それができるんじゃないかと期待しています。
新馬戦は新潟の1600。調教でバンバン時計を出して、危なげなく完勝しました。
2戦目のアルテミスSでは出遅れから豪脚で追い上げを見せてノーカン。あのアルテミスSはメンバーレベルは高かったと思いますが、レースとしてはちょっと参考にならないかなと思います。
まぁ気性に関しては不安もありますが、前進気勢は能力と紙一重です。次走は年明けのシンザン記念ということで、ここで確実に賞金を加算して桜花賞に進んで欲しいところですね。
大関
ミュージアムマイルは朝日杯2着馬。サンデーRの高柳厩舎です。
父リオンディーズに母父ハーツクライという瞬発力型の血統ですが、母母父にFrench Deputy(フレンチデピュティ)がいるHappy Trails(ハッピートレイルズ)の牝系でクラシック向きに思えます。
朝日杯は率直に言って適性外だと思うものの、結果として賞金は加算できたので、判断したのが調教師なのかオーナーなのかは分かりませんが誤っていたとは言えません。ただ適性外だというのはレースを見てからも変わらない感想です。
非常に高い加速力があり、高速馬場にも適応可能。距離は2000以上が望ましいでしょう。ダービーよりは皐月賞向きに思うので、父リオンディーズが取れなかった最初の一冠を取って後継種牡馬となって欲しいですね。
アドマイヤズームは朝日杯勝ち馬。モーリス産駒待望のマイルGⅠ馬となりました。
母ダイワズームはスイートピーSの勝ち馬。母父ハーツクライはエフフォーリア以来2頭目のGⅠ馬ですが、モーリス✖️ハーツといえばエフフォーリア半妹の桜花賞3着馬ペリファーニアもおり、持久力タイプになりがちなモーリス産駒の中でハーツクライの瞬発力が輝いています。
朝日杯はノリが展開を握ったことで、アドマイヤズームが瞬発力あることとミュージアムマイルの適性がマイルでないこと以外は何も参考にならないレースでしたが、上がり競馬で後ろを突き放し未勝利同様に時計以上の内容ある走りをしてみせました。気性の不安さえ克服すればNHKマイルCも有力候補でしょう。
半兄ダノンブレット(父キンカメ)はダートOP馬で成長力を見せており、母父ハーツクライの成長力にも期待できそうです。父モーリスも実績は古馬に集まっていますし厩舎も友道ということで先長く応援することができると良いですね。
デンクマールはリリーノーブルの初仔です。
リリーノーブルといえばあのアーモンドアイやラッキーライラックらとクラシックで鎬を削った馬で、初仔でいきなりこれほどの馬を出してきたのは驚きました。
ルーラー✖️クロフネという配合のままに持続力に優れている母にモーリスを交配しているというだけあって素晴らしい持続力を持っています。高速馬場にも強く、2戦目ひいらぎ賞では前潰れの逃げで同日の古馬重賞より速い時計で走るという規格外のパフォーマンスを見せました。
心配なのはやはり気性面で、ほぼ息を入れずに突っ走っているようなラップだったので、なかなか距離延長は勇気がいると思います。ただ気性面を克服できれば、かなりの大器なのかもしれません。まぁそれが難しいのがモーリス産駒なんですが……。
レイユールはシンリョクカの下のキズナ産駒。下河辺生産の手塚厩舎というエリートです。
中山1600でデビューして一頭違う脚で抜け出して完勝。
2戦目は東京1600の赤松賞で後方から上がり最速で追い込み、素質馬ロンドボスに先着。強い負け方で見限るような内容ではなかったと思います。(※この時のロンドボスは万全ではなかったと思うので、番付からは外しましたがロンドボスにも期待しています)
レイカーラの産駒で半姉がシンリョクカという牝系に父キズナという血統から考えても1600〜2000で戦えると思うので、クラシックに期待したいと思います。
テリオスララは阪神JF3着。天下のノーザン生産馬です。
父はSiskin(シスキン)。Unbridled’s Song(アンブライドルズソング)の父系でスピードと早熟性に優れた種牡馬です。初年度は不慮の事故で種付数が少なく、謎種牡馬扱いされていたからか安価で不人気の種牡馬となっていましたが、その評価を覆す実績を示しています。
母は良血ハルーワ牝系で母父はマンハッタンカフェ。半兄にセラフィックコールやサンライズアースがおり、距離適性も融通が効きそうです。
ここまで1800で連勝しており、阪神JFでは距離短縮して馬券に食い込みました。順調にいけば、このまま牝馬クラシックでも活躍が期待できると思います。
シホリーンはレイクヴィラ生産、武井厩舎のモーリス産駒です。
牝系は世界的名牝Best in Show(ベストインショウ)から連なるフサイチパンドラの牝系で、あのアーモンドアイの姪にあたります。アーモンドアイはモーリスとも交配しているので、ノーザン的にもこの配合は悪くないと思っているのかもしれませんね。
新馬戦は瞬発力で負けてファンダムを交わせず2着。しかし3着は離しており、次戦でしっかりと勝ち上がりました。
2戦連続で中山1600を使った後に東京1600のアルテミスSに出走。まさかのどん詰まりで全くのノーカンでしたが、前が開けばという手応えは見せていました。
次戦は年明けのフェアリーSで再び中山1600を走るようです。桜花賞には是非とも間に合ってほしい馬の一頭ですね。
関脇
マスカレードボールは手塚厩舎の社台生産馬。
父はドゥラメンテで、半姉に秋華賞2着のマスクトディーヴァがいます。マスクトディーヴァはルーラーシップの産駒なので血統はかなり似ており、違いはサンデークロスの有無ですね。
走りを見ると右回りは合わなさそうで、ホープフルではその脆さが出てしまい本来の能力を出せませんでした。それから距離も長かった可能性もあります。
いずれにしても1600〜2000で左回りを使えばまだまだ見直しの効く馬だと思うのですが、ダービーというとちょっとどうなのかなという感じもあり、場合によってはNHKマイルCに目標を変更するかもしれませんね。
高いスピードは高速馬場にも強く、血統はクロスがきつめですが今のところレースはできているので、あとは姉のように怪我してしまわないようにさえ気をつけていけば春に楽しみが待っているのではないかと思います。
エリキングはノーザン生産の中内田厩舎というエリート。さらには豪運で知られるウマ娘の藤田社長が馬主ということで新馬戦開幕前から注目されてきた馬です。
血統的には父キズナに母父High Chaparral(ハイシャパラル)に母母父Danehill(デインヒル)と持続力型で、実際にここまでのレースでは使える脚の長さを活かして勝ってきました。ただ持続力に寄りすぎて加速力がどこまであるのかは怪しいです。
OP重賞の2連勝はどちらも加速ラップの展開でジョバンニに勝っていますが、ジョバンニもセキトバイーストの半弟に当たる持続力に長けた馬なので、加速力が問われる展開では他馬に遅れを取るかもしれません。
主戦が若駒を動かすことが得意な川田というのがこの馬には合っていそうで、重めの怪我をしてしまって春まで休みと宣告されていますが、クラシックに間に合ってほしいですね。
距離は世代戦なら2400までいけるとして、古馬になるとどうでしょうか。ただ距離短縮がいい方向に向かうとは思えず、逃げるような操縦性を持つか距離延長を模索していくのが可能性としては高そうです。
ヴィンセンシオはキャロットのリアステ産駒。新規開業の森一誠厩舎です。
牝系は祖母があのシーザリオという良血で、父もリアルスティールなので高い瞬発力を持っています。その証明として新馬戦では13秒ばかりのドスローから、上がり12.5-11.6-11.1という実質3F勝負で勝ち切りました。上がり最速じゃないのは番手にいたためにルメールが仕掛けを待ったからです。
逆に2戦目の葉牡丹賞は中間に12.3、11.9を挟むハイペース。もちろん中団を追走していたこの馬はもう少し緩いラップですし、高速馬場の追い風外差し展開だったのはありますが、それでも中山2000を1:58.8の好時計で勝利。こういうレースでも勝ち切れるのは単なるスロー専ではないことを示しました。
現在放牧中なので間隔開けるなら弥生賞かスプリングSが有力でしょうか。東京でも面白いでしょうし、距離も融通は多少効くと思うので先が楽しみですね。葉牡丹賞の上位3頭はいずれも期待しています。レベルは高かったと思います。
リトルジャイアンツも葉牡丹賞組。こちらはタイム差なしの3着です。
馬主はカカムーチョレーシングさん。中央通算3勝のオーナーです。厩舎は村田一誠厩舎で、こちらは重賞が障害の1勝のみ。生産牧場はマイネルホウオウを輩出した新冠町のヒカル牧場。
恐れずに言うと、下剋上の立場です。
父はトーセンラー。京都専という珍しいタイプで、京都なら春天でも京都記念でもマイルCSでも走れるという謎の馬です。母父アドマイヤジャパンは菊花賞でディープの2着。母母父はなんと無敗三冠馬シンボリルドルフ、母母母父はDancing Cap(ダンシングキャップ)(オグリキャップの父)という、とても趣のある血統です。
距離適性はおそらく2000以上。鞍上がノリなら距離の融通は効きそうです。もっと長いところの方が勝ちやすいのかなとは思います。
ノリに変わった東京2000の未勝利戦では1:58.7の上がり34.1、2着に2馬身半つける勝利で変わり身を見せました。同日の新馬戦では勝ったキングノジョーが2:02.4の上がり33.8、翌日の古馬3勝クラスでは1着トーセンリョウが2:00.5で上がり33.3。
そこから1ヶ月の葉牡丹賞では高速馬場のハイペース差し展開を最後方から上がり最速33.9でタイム差なし1:58.8の3着。長い脚で高速馬場に強いということで、かなりの大物感を感じさせています。
次戦は天栄の根城とも言えるクラシックの登竜門こと共同通信杯という強気なローテ選択だそうで、スローからのキレ勝負には注意が必要ですが、どんな競馬をするのか楽しみにしたいです。
アルテヴェローチェはサウジRC勝ち馬。朝日杯は1人気5着。
須貝✖️武豊のコンビで「大器」と評されている馬ですが、気性が難しいところと加速力に欠けるところから朝日杯では大敗してしまいましたが、サウジRCのように持続力勝負になれば強みを活かせるかもしれません。
血統はモーリス✖️ディープの持続力特化。ジェラルディーナ、ディヴィーナ、アルナシームと名前を並べればタイプも分かってきますね。母母父Candy Stripes(キャンディストライプス)はバブルガムフェローの半兄にあたり、侵略者Invasor(インヴァソール)を輩出しています。
操縦性を身につけて自分から展開を作りにいければ良いですが、それはおそらく難しいので展開を待って勝ちを狙うことになるかなと思います。
距離的には2000は視野に入ると思いますが、次戦はどこを目指すでしょうか。弥生賞を個人的には見てみたいですが、距離もありますし共同通信杯とかかもしれませんね。
アルマヴェローチェは2歳女王。望来に初GⅠをプレゼントしました。
ノーザン生産の上村厩舎、Harbinger(ハービンジャー)産駒ということでこれからに夢も広がる期待馬です。なおHarbinger✖️ダイワメジャーはナミュールと同じ配合です。
札幌1800を2戦使って、札幌2歳Sでは内差しの好騎乗でマジックサンズにハナ差の2着。そして阪神JFでは荒れていた京都を大外ブッ差しで1着。
この馬の能力を疑うわけではないんですが、2歳女王を関脇の評価にしたのは、これまでのレースの馬場や展開がこの馬に向き過ぎているなと感じているからです。
Harbinger産駒は京都は得意ですし、荒れた馬場もこなせます。持久力に定評があるわけですし長い直線にも強いので、例えばこの馬が前有利になりがちで瞬発力が求められる桜花賞で結果を出せるかというと、私は懐疑的になってしまうんですよね。
オークスや秋華賞、エリザベス女王杯では期待できるのですが、鞍上の望来は東京は苦手としていますし(栗東の騎手なので)、強いとは思いつつも牝馬クラシックは分け合うことになりそうです。
コートアリシアンは社台生産の関東馬。
サートゥルナーリア✖️ハーツクライという瞬発力型の血統で、母母父もSmart Strike(スマートストライク)ということで上がりには期待できそうですね。反面、持続力には不安が残り、新潟2歳Sではトータルクラリティに差し返されてしまいました。
母コートシャルマンも1600までの馬だったということで、この馬も2000は長いのかなと血統的には感じますが、後方一気を狙うような馬として中距離を狙うのも状況によってはありかもしれませんね。モリアーナのような。
ブラウンラチェットは桜花賞の1番人気。ノーザン生産サンデーRの手塚厩舎に主戦ルメールということで、いかにも牝馬クラシック勝ってそうな馬ですね。
特筆すべきはやはりフォーエバーヤングの半妹というところ。持続力に優れており、スピードの出る馬場に強そうな印象を受けます。阪神JFに関しては調整がうまくいってなかったのでノーカンで良いでしょう。
馬体重を増やすというのが現状の課題になりそうで、それまでは調教でも負荷をかけにくいでしょうし、キズナなだけに遅咲きになるかもしれませんね。手塚厩舎としては似たような存在としてボンドガールもいましたし、秋華賞目標にしてゆっくり牧場で育成を促した方がいいかもしれません。
距離としては中距離でやれそうなので、身体が整うならオークス馬の候補にも当然挙がってくると思います。
ミストレスは矢作厩舎のキズナ産駒。
父キズナに母父Distorted Humor(ディストーティドヒューマー)はエグランタインやナチュラルライズと同配合。母はあのコントレイルと同じFolklore(フォルクロア)の牝系ということで、矢作厩舎としてはこの馬にも大きく期待しているようですね。(コントレイルは従兄)
距離適性は短めになるかなという印象があり、マイルが中心になっていくんじゃないかなと思います。
アルテミスSでは逃げ粘って2着。ただこれは上手く逃げたなという感じの内容だったので、ペースが流れた時にどうなるか。阪神JFでは展開が向かなかったので、年明けてどのレースを使うかが楽しみです。コンクシェルみたいな方向に育成していければ面白いですが……。
(追記)ダート挑戦するみたいですね。ミスティックロアも近親にいることですし面白いかもしれません。
小結
ナグルファルは社台の杉山晴紀厩舎。現在2戦2勝です。
父はエピファネイア。母Land Over Sea(ランドオーバーシー)はケンタッキーオークス2着馬。キタサン産駒の半兄にサトノエピックがいます。母父Bellamy Road(ベラミーロード)は2000くらいの馬でディープモンスターの母父でもあります。この馬も適性は2000くらいになるのではないでしょうか。
2戦とも持続力で勝っており、基礎スピードの高さを見せています。またエリカ賞では3角でのスピードアップにもついていけているので、先行力の高さといい危なげない勝ち方ができているのが評価できます。
ジョバンニはホープフル2着馬。桜花賞4着サウンドオブハートなどを輩出しているタイヘイ牧場の生産馬です。
父はエピファネイア。1月生まれということもあって2歳冬にして完成度が高く、半姉セキトバイーストのように持続力の高さで好走を繰り返しています。
ここまで3戦連続で持続力勝負で戦い、エリキングに2度、クロワデュノールに1度敗れています。ただこれは相手が悪かったというだけで他馬には先着しているわけですからね。
母父のFootstepsinthesand(フットステップスインザサンド)は馬名で好きな馬なんですが、高い持続力を持った良い血統だなと思います。ドーブネの母父でもあります。
距離適性としては2000くらいか、エピファなら2400もいけるかもしれないといったところで、クラシックの中心メンバーの一頭になっていくと思います。成長力がどこまであるかは分かりませんが、完成度の高さを活かして自分の競馬をしていけば結果はついてくるんじゃないでしょうか。
ここまで松山で騎手を固定しているのも良いですよね。クラシックは馬が幼いからこそ騎手とのシンクロも重要な要素ですから。
ヒシアマンはセレクトセールで1億を超えたノーザン生産馬。父モーリスと同じ堀厩舎に預けられているあたりからも期待感が伺えます。
母父はマンハッタンカフェ。モーリス✖️マンカフェは持続力強化の配合でメイショウソラフネなど結果も出しています。母アシュリンは1800くらいの馬なので、この馬も1600〜2000となってくるでしょうか。堀が1500で下ろしているということは遺伝子判定では短距離馬なのかもしれません。
新馬未勝利と強い競馬をしてきましたが京王杯2歳Sでは4着敗戦。ペースは流れて減速ラップで前崩れの展開でしたが、雨降って稍重というコンディションもあってか伸びきれませんでした。
まぁ見限るほどの内容ではなかったと思いますが、現状ではこの評価より高い番付はつけられないですね。まだ厩舎に戻っていないようですが、次走はどこを選ぶのでしょうか。
レッドキングリーはキムテツ厩舎の素質馬。
兄も姉もいずれも成長力のあるタイプで、父サートゥルナーリアということもあり奥は深いのではないかと思います。裏を返せば今はまだここではないということになりますが。
キレタイプながら得意な展開になった東スポ杯2歳Sで敗れているあたりクロワデュノールには完全に格付けされてしまっていますが、まぁあれは流石に相手が悪かったですし、成長していけば面白みはあると思います。
ゲルチュタールは杉山晴厩舎のノーザン馬。サンデーRが1口100万で募集した馬です。(1口100万てすご笑)
この馬も葉牡丹賞組で、こちらは2着。
新馬戦はスローを番手で運んでキレ勝負になるもラストは減速ラップで、正直あまり強い勝ち方ではありませんでした。ただ勝てるレースを危なげなく勝つというのは大事ですし加速力は示しました。
父はBricks and Mortar(ブリックスアンドモルタル)。母父は秋古馬三冠のゼンノロブロイで、叔父にキラーアビリティがいる血統です。とりたてて早熟ということもないと思いますし、瞬発力タイプなので脚の使いどころを見定めていくのが大事になるかなと思います。
次走は葉牡丹賞と同じく中山2000の京成杯。強い相手が待ち構えていますが、葉牡丹賞組の器を測る意味でも楽しみにしたいと思います。
カムニャックは友道厩舎の社台生産馬。
父ブラックタイド、母父サクラバクシンオーというキタサン配合で、牝系はDancing Key(ダンシングキイ)からダンスパートナーの系統。半兄にカナロア産駒のキープカルムがいます。
2000でデビューして快勝。2戦目アルテミスSではヨーイドンでキレ負けしましたが、血統を考えれば得意の展開ではなかったと思います。
血統から距離適性は1600〜2000と思われますが、若駒のうちは2000くらいの方が合うと思いますし、距離を戻してきた時にはまた期待したいですね。
ショウナンザナドゥは新馬戦のパフォーマンスから人気を集めているノーザン生産馬。セレクトセールで2億の値が付けられた期待馬です。
父はキズナ、母Mi Sueno(ミスエーニョ)。半姉にミスエルテやミアネーロがいる血統の通り、タフな展開に得意な馬です。
2歳末にして既に4戦しており、なんとなく昨年のショウナンラプンタにもイメージが重なるような戦績。キレ勝負よりは持続力勝負の方がいいはずで、競馬場なら東京より京都の方がいいはず。
そういう面で阪神JFでは人気しましたが外差し展開に乗れず4着。地力は見せました。
持続力タイプの馬は高速適性があれば加速ラップ踏んで好時計を出して高く評価されがちですけど(実際それは日本競馬で一番強いわけですが)、牝馬限定であれば加速して差をつける能力も大きく問われるので、あるとすれば秋華賞かなという感じがしています。
ティラトーレは社台生産馬。
父はリアルスティール、母方は冠名エアでお馴染みI Dreamed a Dream(アイドリームドアドリーム)の牝系で、半兄にオールセインツ(キズナ産駒)がいます。
血統的に距離適性は中距離寄りで、1600で2戦していますが、新馬戦はスローからキレ勝負で勝っていますし距離延長しても面白そうです。
2戦目のひいらぎ賞では中山1600で0.6秒差の4着に敗れていますが、このレースはデンクマールが息を入れないラップで逃げてレコード勝ちしたもので、瞬発力型のリアステ産駒としては苦手な展開でした。
あまり人気しないかもしれませんがリアステ✖︎ルーラー✖︎テーストと成長力のある血統に思えますし、新馬戦では上がり2位に0.5の差をつける最速上がりで勝っている瞬発力は魅力的です。先行力もありますし、スロー展開になれば面白いかなと思います。
前頭
キングスコールは矢作厩舎のDMM。
札幌1800の新馬戦で阪神JF3着のテリオスララを相手に、上がり4Fが11.5-11.7-11.6-11.5の持続力勝負で3馬身離す完勝。かなりの脚の長さを見せつけるレースぶりでした。
父はドゥラメンテ、母父はFrankel。叔父に米国GⅠ馬Bellamy Road、半兄にサクセスカラー(父ロジャーバローズ)がいて、パフォーマンスのまま持続力に優れている血統と思えます。血統的には距離は2000より1600、距離短縮していくことになるのではと思います。
……と思ったらチャンピオンヒルズはダービー行かせる気マンマンなんですね(netkeibaの掲示板より)。かなり絶賛しているそうですし、現場の意見がそうであるなら中距離馬なのかもしれません。
ショウヘイは友道厩舎のノーザン馬。
新馬戦ではスローからの上がり3Fが11.1-11.1-10.9というヨーイドン競馬を逃げて2着。マディソンガールの1馬身差で、これは相手が強かったかなと。リバティの妹なので能力はお墨付きですしね。
続く未勝利では後半5Fで12.8-12.4-11.9-11.5-11.5という加速ラップを軽々と走り能力を見せました。外差しが飛んでくる12月の京都を前からあっさり勝ったのは着差以上の内容です。
父サートゥルナーリア、母父オルフェーヴルのMusical Way(ミュージカルウェイ)牝系。ブレイディヴェーグやエピファニーが従兄弟、叔母に2冠牝馬ミッキークイーンがいる血統です。
距離は2000くらいでしょうが、ペースが上がった時にどこまでやれるか。スローになりがちな共同通信杯に出てきたら有力候補になってくると思います。
ファンダムは白老生産のキャロット。厩舎は重賞未勝利ですが、この馬で初となるでしょうか。
父サートゥルナーリアに母父ジャスタウェイ。従姉妹にカニキュルがいる血統です。距離は1600デビューですが2000でもいけると思います。
高速馬場の中山マイルでスローからの上がり11.5-11.6-11.5-10.8を押し切る形でシホリーンを凌いで勝利。もっともこの馬は瞬発力タイプと思うので、シホリーンとの格付けが済んだとは思いません。
ジュニアCに出るそうなので、どんな走りをするかですね。距離延長もいけると思うんですがジュニアCということは皐月賞は狙わないんでしょうか。陣営がそう判断するということは距離延長はしんどいのかもしれませんね。自信あったら京成杯に出してくるでしょうし。
エネルジコはスターズを出した美浦の高柳厩舎。勝負服はシルクです。
東京1800でデビューし、道中はスロー。1番人気の武史の馬が捲って位置を上げたのですが後方待機を崩さず、11.9-11.3-11.1というヨーイドン競馬を上がり33.3で貫く規格外の走りで勝ち切りました。
着差以上の内容で、4月下旬生まれでこの走りは期待が高まります。次走はおそらく共同通信杯で、ダノンベルーガやジャスティンミラノのように一気に名前をあげる可能性がありそうです。
父はドゥラメンテ。ドイツ牝系で、母父Noverre(ノヴェール)は欧州マイラー、母母父はNIniski(ニニスキー)。瞬発力と持続力ともに水準以上のものを持っていそうで、クラシック主役級になれるポテンシャルはあるかなと。
あとは追走力ですよね。がっつり欧州色の血統なので、ペースが流れた時に後方一気だけだと厳しい。位置を取れるかっていうところにかかってくると思います。
レイニングはノーザン生産のキャロット。国枝厩舎です。定年までの最後の1年、おそらくチャンスがあるならこの馬だと思います。
東京1800の新馬戦でスローからの前残りヨーイドンを上がり32.9でブッ差しました。これは並の勝ち方ではないので重賞はまず取れる器かなと。ちなみに生まれは5月です。
父はサートゥルナーリア、母父にディープインパクト。モーリス産駒のアルテヴェローチェとは従姉妹の関係にあるCursora(クルソラ)の牝系。半姉にククナがいて成長力も保証されています。むしろ晩成かなと。
最近は2歳を東京の秋の新馬戦だけで終えて3戦目や4戦目で皐月賞を勝ち負けする馬が毎年のようにいますけど、今年その枠があるとしたらエネルジコ、キングノジョー、レイニングの3頭のどれかでしょうね。
ロケベンドラは社台の馬。中京2000を上がり最速33.8(上がり2位は34.2)の脚でちぎった馬です。
父イスラボニータ、母父Smart Strike(スマートストライク)という大跳びの血統で、全兄タンゴバイラリンも2000mで勝っているため距離はこれくらいが良いのだろうと思います。祖母がアルゼンチンの名馬のようで、この牝系に多くイスラボニータをつけているあたり手応えある配合なのでしょう。
netkeibaの掲示板を覗いたところ骨折で休んでいるようですが……。クラシックに間に合って欲しいですね。
クライスレリアーナはサートゥル産駒の素質馬。
新馬戦はミリオンローズの3着でしたが、これは6月のレースで馬が出来ていませんでした。父が新種牡馬ですし、セールに間に合うように東京で勝たせたくて早めて出したんじゃないかなと邪推してしまいたくなってしまう感じです。
2戦目は夏の新潟で1800に1Fの距離延長をして5馬身差で圧勝。高速馬場に強そうで、来春にはさらにパフォーマンスを上げてくるのではないかなと思います。
インプロペリアはサンデーRの馬で、調教師は新規開業の森一誠厩舎です。
Happy Trailsからのハッピーパスの牝系で、父ロードカナロアに母父シンボリクリスエスという血統。全姉にサブライムアンセムがいます。
父と母父は晩成ですが牝系的に早熟で、そのためクラシックの前哨戦でも面白い馬の一頭になってくるかなと思います。距離はとりあえず短縮する必要はないと思うので桜花賞に向けて歩んでいってほしいですね。
ロートホルンはサトダイ産駒のキャロットの馬。生産はレイクヴィラなので外様タイプですね。
父サトノダイヤモンドで母は米国重賞馬。
新馬戦は札幌で惨敗していますが2戦目は逃げて1秒差の圧勝。
距離は2000でもいいと思うので、オークストライアルとか面白いかなと思います。例えばフローラSとか。それまでに賞金積んでたらオークスでしょうね。京都という意味では秋華賞も楽しめるかと思います。
マディソンガールはサンデーRの中内田厩舎というエリート。鞍上も当然川田で、新馬戦で素質馬ショウヘイに完勝して話題を集めました。
同じ中内田厩舎の三冠牝馬リバティアイランドの下で、父はキズナ。リバティアイランドよりは持続力に寄ると思われるので、桜花賞よりオークス向きだと思います。距離はマイルって感じはしないですね。
同じようにキズナ産駒の期待馬といえばダノンフェアレディもいますが、私はこのマディソンガールの方が期待できるなと思っていますね。というかダノンフェアレディにはまだ懐疑的です。時計が良いのは知っていますけど……。
終わりに
上でも書いてますが、ダートはざっくり除いています。
それからスプリンターに思える馬や、この記事を書いている時点で長期離脱が決まっていてオークスやダービーに間に合わなさそうな馬も除いています。例えばディアナザールとかですね。エリキングは間に合うかもなと思って残しました。
牡馬の方が多いのは、全体的に牡馬は素質馬のデビューが遅い上に2歳GⅠに出てこない馬も多く、能力を測るのが難しいからですね。甘えと言われたらそれまでです。
さてこの番付、個人的に特に期待しているのはマイエレメントとリトルジャイアンツ。それからデンクマールはスケール感ありますよね。強い逃げ馬の存在をみんな求めていると思うので、なんとか操縦性を身につけてジャックドールやパンサラッサのようになってほしいものです。
さてさて今年のクラシックホースはこの中にいるのか、私は高く評価できているのか。今回切っているキングノジョー、リラエンブレム、ネブラディスク、エコロディノスあたりは果たしてどうなのか。ちなみに昨年はジャスティンミラノが番付から外れています。
父的にはやはりキタサンが強いのと、ラストクロップのドゥラメンテに素質馬が待っている印象。モーリスは全体的に当たっていてこちらも楽しみ。エピファとキズナもまだ期待馬がいますし、サートゥルも2歳リーディングに恥じない結果を期待できる余地は残しています。
1年後に答え合わせをすることにしましょう。それでは良きクラシックを。
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