2025年 皐月賞 予想

私が最初に見たクラシックがコントレイルの年でした。

コントレイルが現れ、デアリングタクトが現れ、2頭の三冠馬がアーモンドアイに挑んだ年でした。

言わば三冠馬を見ることから始まった私の競馬人生。血統好きとしてクラシックを中心に追いかけている私には、今でも三冠馬に対して特別な想いがあります。

皐月賞はクラシックの1冠目。すなわちこのレースに出走する18頭に今年の三冠馬になる資格は限定され、そしてゲートが開けば僅か2分で1頭に絞られる。

1倍台の人気で出走する最優秀2歳牡馬は、果たしてその1頭となれるのでしょうか。

答えが出るまでもう1週間を切っています。


予想

◎ヴィンセンシオ
〇クロワデュノール
▲キングスコール
△マスカレードボール
☆エリキング

1倍台の1番人気は本命にするわけにいかないので、この印で。
BOXですかね……。正直自信ありません。

前日時点でクッション値が10を超える高速馬場という状況、さらにはCコース変わりということから内有利と高速馬場適性を意識して選んでみました。

展開ですけど、ファウストラーゼンは強引にでも捲っていくしかないんじゃないかなと思う反面、ペースが流れるなら昨年のコスモキュランダよろしく普通に差す手もありそうです。ただ外ぶん回して彼が差し切れるほど前が止まってくれるとは思えず、ここに全てをかけるなら鞭打ってでも行くしかないでしょう。

ペースはミドルを想定。クロワデュノールに勝つには前に行くしかないと騎手が考えるかなと。捲りが来るにせよ来ないにせよ中盤もグッとは緩まないでしょう。

捲りに合わせて馬郡がぐっと3角入るあたりから広がって、でもそこで外回した馬はよっぽど強くないと差して来れない。オールカマーとかでよくある展開になると予想。昨年の有馬もそんな感じでしたね。もっとも、今年は直線強い追い風になりそうなのが差しの希望ですが。

こうした前提の上での決め打ち予想です。じゃないと今年はちょっと買える馬が多すぎて選べませんでした。それだけメンツが集まってるんじゃないかなと思います。

ヴィンセンシオ

本命はこの馬で。前日時点で単勝6番人気ですが、連系はまた違いそうです。鞍上ルメールってだけで買う人もいますからね。

この馬を推す一番の理由はやはり持ち時計。年初から書いてますが葉牡丹賞を評価しているんですよね。ゲルチュタールもリトルジャイアンツも結果を出していますし、レベルの高い中山2000だったと思います。

あの時も高速馬場で、ハイペースを中団から足伸ばして高速のたたき合い。時計1:58.8は2歳馬としては異色で、成長分を考慮すれば今回58秒切るような決着になっても対応できると思います。

血統はシーザリオにキンカメ→リアステとつけたもので、長い脚も使えていますが瞬発力もあると思います。リアルスティールって高速対応できる産駒いますよね。フォーエバーヤングは言うまでもなくレーベンスティールもですしチカッパなんかもスプリンターですし。

例に漏れず成長は遅めだと思っているので、ここである程度の力を見せてくれたら先が楽しみになると思います。

内有利の中で外の馬を本命にするのかと思うかもしれませんが、そこは鞍上ルメールですし、クロワデュノールを負かすために内差しを目指してくれるんじゃないかなと思います。

追切は正直どうなのかなってところもあるんですが、そこは期待されている厩舎だけあって最終を見る限り間に合ったかなと。少なくとも弥生賞よりは良いし、葉牡丹賞の時もバチバチって感じではなかったので、これでもやれると思います。

クロワデュノール

強いと思います。全く底を見せてないし、東スポ杯もホープフルもレースレベルはともかくとしてメンツは集まっていましたし、太め残りだろうが向かない瞬発力戦だろうが捲りが来ようが完勝しているので、この人気も頷けるところ。

友一も絶対に負けられないという覚悟で、早くも三冠の達成について語られている馬でもあるわけですが……。

強いのは百も承知で、この馬が三冠取ると確信するには自分はまだ至っていないですね。それは番付の中間チェック記事の最後に書いた馬体重の話もそうですが、この馬あまりにもここまで苦労してなくて。

馬が競馬をどこまで学習しているか分からないんですけど、あのディープですら弥生賞はギリギリだったわけで(着差が全てではないですが)、追切を見てもこの馬にちょっと競馬を舐めてるフシがあるのが怖さだと思います。

いや難癖ですけど(笑)。

特徴として挙がる高い持続力はキタサンブラック産駒にはよく見られるもので、イクイノックスやガイアフォースらもそうですよね。この馬もホープフルで差してきたジョバンニと差のない上がりを使えるほどで、2歳馬と思えないレースでした。

母のRising Cross(ライジングクロス)は英オークス2着。戦績だけだと早熟のようですが単純に相手が強くなってるだけだと思います。母父Cape Cross(ケープクロス)はDanzig(ダンジグ)系のマイラーで、Sea The Stars(シーザスターズ)など産駒は中距離で活躍しています。

Sea The Starsとか顕著ですけどCape Crossって瞬発力型で、だからキタサンブラックとの配合によって高速の持続力を補強できて、こうして隙のない馬が出来上がったわけですね。

追切は2週前で不安視されたものの、1週前ではまるで馬が変わったような走りを見せて、あのタガノエルピーダをチンチンにする動きを見せました。最終でやや手前替えに難を見せましたが、それは上述したようにこの馬がちょっと舐めてるんじゃないかなと個人的には思っていて、まだ本気出してないんじゃないかなと。

枠はいいと思いますね。包まれにくい外目なのもいいし、逃げが予想される馬が近いのもよくて、元々スタートは出る馬なのでポーンと出たらそのまま先行して危なげなく1冠というのが理想形ですね。

相当な器に見えますが、果たしてオッズの期待が確信に変わる2分となるのでしょうか。

個人的には3冠目指すならダービーがどうかなと思います。

キングスコール

まだ3戦目、無敗でもないし2000mも初挑戦。生産は日高で馬主はDMM、騎手は藤岡佑介。人気しない理由は十二分にある中で、この馬に前走からの上昇を期待したい。

新馬戦が高速馬場の良い内容でソダシ超えの時計を出して話題になった馬で、頓挫によって強敵と当たることなく前走滑り込みで皐月賞のチケットを獲得しました。

明らかに前走は仕上がっていない長期の休み明け。それでいて馬場は重く、出遅れた。そんな状態でも3着に来れた(レベルもありますが)のは非常に素質を感じさせています。逆にこの考えからスプリングSの他の馬は評価を下げています。

スプリングSはラスト1Fが13秒もかかるようなレースで、おそらく皐月賞には繋がらないでしょう。そしてそういうしんどいレースをしたうえで再度の輸送というのは確かに苦しさではありますが、追切を見るに状態が悪化しているとは思えません。(というか前走が悪すぎ)

相手のレベルを考えると3段階くらいレベルアップしないと勝ち負けできませんが、賞金の足りていない身ですし、最低限掲示板を目指して内枠の利を活かすような競馬をしてほしいところです。この馬の場合、先行することもできると思いますしね。

血統は父ドゥラメンテで母父Frankel(フランケル)、半姉にサクセスカラー、叔父にディープモンスターの母父でもあるBellamy Road(ベラミーロード)がいます。

本質的には2000までの馬かなと思っていて、もちろんレースによって2200や2400くらいやれるかもしれませんが、ペースとして2400の競馬が良いという風にはなってないと思います。

そこから考えると、今回ペースが流れると予想されるなかで追走力に期待できます。昨年ハイペースの中でジャンタルマンタルが早め先頭の競馬をできたように、この馬も内を先行できれば進出していけてもいいかもしれません。

マスカレードボール

この馬を私はあんまり高く評価していなかったので、東京1800の2戦のラップには驚きました。鮮烈ですよね。持っている能力はマスクトディーヴァの下なだけあって相当高いんでしょうね。特に高速馬場で。

例年皐月賞で好走するのはホープフル組、共同通信杯組、弥生賞組。近年ここに京成杯も加わりつつありますが、今年は弥生賞が稍重で京成杯が変なレースだったということで、ホープフル組が人気するなら共同通信杯の勝ち馬たるこの馬を評価するのが自然でしょう。

コーナーが良くないのは調教からも明らかで、新コンビ武史もそこはハッキリ会見で言っていましたが、包まれないように先行してしまえば多少膨れても走れるわけで、要は窮屈な競馬にならなければいいと思うんですよね。

内枠なのでスタート出れば押していくでしょうし、逆に出なければ後ろからぶん回すんじゃないかなと思うんですけど、素質と実績から見てホープフルの走りだけで評価を下げるなら寧ろ買いじゃないでしょうか。

血統はマスクトの下で父ドゥラメンテ。母方にディープとダンブレで明らかに持続力型。姉でさえ気性は荒かったのにドゥラなので更に気性も激しく、条件不問の馬になりにくいのはまぁ察するところありますね。

とにかく窮屈な競馬になるかならないか。それはスタートで8割決まると思うので、なんとか出てくれたら楽しめるかなと思うのですが。

エリキング

個人的にはデビュー前からダービーあるんじゃないかというくらい期待しているキズナの牡馬。あの藤田が馬主というのもありファンは多いように思えます。

キズナの牡馬と言えばディープボンドのような切れ味にかける粘り強いタイプが想起される中で、昨年ジャスティンミラノがその印象を払拭しました。

2年連続で上位人気での出走ですが、私はサトノシャイニングよりもこの馬の方がミラノに近い、従来のキズナ牡馬のイメージから離れるタイプでないかなと思います。

どうしても過去の走りにおいて勝負どころで川田がガシガシしても動かないようなズブさを見せているだけに上がりが苦手なように見えてしまうんですが、追い切り見ても見た目以上のスピードがあるんですよね。

血統は父キズナ。京都中距離や阪神の非根幹にやたら強いキズナ産駒なので割引きたいところではあります。母父はHigh Chaparral(ハイシャパラル)は英愛ダービー馬。凱旋門だけ勝ててない名馬で、欧州の持続力型。母母父にはDanehill(デインヒル)。

キズナ牡馬でDanehillにDarshaan(ダルシャーン)と言えばジャスティンミラノも共通で、母がメルボルンCにも出るような中長距離タイプのこの馬の方がジャスティンミラノよりもダービー向き。

裏を返せば皐月賞適性は下がってしまうんですが、しかし素質からしてここで好走しても不思議ではありません。

心配なのはやはり長期の休み明けなことですね。キングスコールと違って1戦挟んでいないのがスタートのポジション争いにどう出るか。終いに関しては中内田厩舎だし追い切りも動いているので大丈夫だと思いますが、内枠なこともあってポジションをとれるかが重要になってきます。

馬券を無視して考えれば、賞金はもうあるのでダービー目指してぶん回しみたいな競馬をやってしまっても良いとは思います。ただここで勝ち負けしようと思うなら、捲りについていくか最初に頑張ってせめて中団くらいを取るかしかないでしょう。

そのほか消した馬

ジーティーアダマンは好時計で勝っている逃げ馬で、前有利を考えれば抑えてもいいかなと思いつつ、流石にこの時期のルーラー✖️マンカフェの馬が逃げて残ってしまうようでは世代レベルに疑問が生じてしまいます。

サトノシャイニングは自信を持って消しました。強い馬なのは承知の上で、この馬は従前のキズナ牡馬に近いタイプだと思います。つまり持続力勝負に強いパワータイプ。

血統的にも、母は南米の馬なのですが血統を見ればMeadowlake(メドウレイク)やDeputy Minister(デピュティミニスター)にRelaunch(リローンチ)とパワー系持続力血統が並びます。瞬発力勝負となった東スポ杯では頑張れましたが、前有利でしたしクロワは太め残りでしたからね。

きさらぎ賞はいかにもキズナ産駒が得意な条件が揃っていて(京都中距離・稍重・前崩れ)、あの走りは持続力による結果なので皐月賞に繋がらないと思います。菊花賞には繋がるかもしれませんが、今度はパワー系で体重もあるので距離がどうかなと。素質の高さでどこまでやれるかですね。

ミュージアムマイルは明かなモレイラ人気。買いたかったんですけど、この人気で買うのは流石に……。元々は評価していました。

前走の弥生賞はこの馬の得意としない条件だったのでノーカン。黄菊賞で強い走りを見せていますが京都なので注意。本質的に瞬発力型だと思うので持続力勝負は向かないはずです。

リオンディーズにハーツクライと仕上がりは先になりそうで、若い頃は母母父French Deputy(フレンチデピュティ)の力もあって持続力もある程度張り合えると思いますが、それで勝ち負けするには相当な素質が必要でしょう。ドウデュースのようなね。

高速馬場になって条件は上向きますし、クロワデュノールを徹底マークできそうなのは進路の意味からも向くと思うのですが、しかしこの人気では買えません。来たらおめでとうです。

ジョバンニはエピファ産駒なので応援してるんですが、セキトバイーストの下なんですよね。直行でなく叩いた理由もよく分からなくて、直行でも仕上がったんじゃないかなーと思いつつ。まぁそこは調教師を信じますか。

母父Footstepsinthesand(フットステップスインザサンド)はがっつり持続力型の馬で、セキトバイーストのように流れた競馬なら強いでしょう。エリキングに対抗できたのもホープフルで頑張れたのもそれがあるからだと解釈しています。

ただ今回は内を割ってこなければならない立場ですし、ペースも流れそう。そうそう展開が向きそうにない中でどこまでやれるでしょうか。

追い切りめちゃくちゃ良いので普通に馬券にきても何ら不思議ではないんですが、この人気で買うには今一つストロングポイントが薄いように思います。ヴェロックスでなくトップナイフなんじゃないかな、と。

ファウストラーゼンは私も応援しているモズアスコット産駒。母父スペシャルウィークということで、そこだけ見るとダート馬にも思えるところですが牝系が芝なんですよね。

少し力のいる条件で持続力勝負したい馬で、ホープフルと弥生賞はまさにそういうレースにできましたが、今回はそうはならないしできないと思うので評価を下げています。

アロヒアリイとピコチャンブラックはどちらもクラシックに定評のあるBallet Queen(バレークイーン)の牝系。ピコチャンの方が皐月賞向きで、アロヒアリイは叔父にアドミラブルがいることからもダービー向きだと思います。

ピコチャンは展開を味方につけるためには出していきたいところ。反対にアロヒアリイは先を考えるなら差し足を伸ばしたいですよね。ただアロヒアリイは賞金が足りないんですよ。権利を取らなきゃいけない。

かなり調教こなしていますが陣営としても皐月賞が一番向いているとは思っていないでしょうし、後ろから垂れた馬を拾うような権利狙いの騎乗をする可能性もあるんじゃないかなと思います。

最後に

なんだかんだ皐月賞ってバイアスがかかろうとGⅠ級の馬ならそんな情けないレースはしないんですよね。理由のある大敗はあっても、「伸びない外を回ったから9着でした」みたいな馬がダービーで勝ち負けすることはまずない。大外ぶん回しだろうが能力があれば格好はつけるものです。

それがこの中に何頭いるのかを楽しみにしたいですね。

コメント

  1. IT より:

    コントレイルとデアリングタクトの対決は本当に印象的でした。それ以来、三冠馬に対する特別な想いが強くなりました。今回の皐月賞では、どの馬が三冠馬になるのか、とても楽しみです。特に、1倍台の人気馬がどのようにレースを展開するか、興味深いです。このレースで、誰が最高のパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか?

  2. IT より:

    クラシックレースにはいつも特別な想いがあります。特に三冠馬との出会いは私の競馬人生の始まりでした。今回の皐月賞も楽しみですが、今年の三冠馬は誰になるのでしょうか。高速馬場でのレース展開が気になりますが、内有利のコースでどの馬が差してくるのか注目です。クロワデュノールに勝つためには、どのような戦略が必要だと思いますか?