2025 天皇賞秋 反省会

いやぁ、面白くなかったです(笑)。

まぁ馬券を外すっていうのがまず面白くないんですけど、それはそれとして別に負けていい金額しか賭けてないからお金を失うのは良いんですよ。海外サッカーみたいに中継見るだけで年間数万円のサブスク加入しなきゃいけないわけでもないし、観戦料ぐらいの感覚でね。

実際、今朝のフォーエバーヤングは感動しました。まぁその話はそのうち別に記事を書こうと思うのでここでは置いておきますが、例えばスプリンターズSとかもね。三浦が勝って、おめでとうってなりました。津村の時もそうだし。

なんかね、GⅠって面白くあってほしいんですよ。別にレベルがどうこうは言っても仕方のないことだから、面白いレースをしてほしいんですよね。

究極的にはお馬さんのかけっこなわけで、欧州のようにチーム戦でガチバトルするのも良いし、米国みたいにぶっ飛ばしてデスレースするのも良いけど、日本競馬って展開も多様で頭数も多くてキャラも立ってて、そうして興行的成功を収めているから特に面白いと思うんですよ。

それでいうと2年連続でびっくりするくらい面白くない天皇賞秋になってしまったのが、残念ですよね。これまでは牡馬中距離の最強決定戦の意味合いがあったのに、ここ2年はもう高速馬場の4F競走というか、3F競走というか。小学生の50m走みたい。欧州みたいなレースを多頭数でやられると団子すぎて笑えて来ますね。

こんなので良い種牡馬も選定できないし、まして天皇賞秋は3歳牡馬に斤量優位もあるわけで、これではもう毎年クラシックの馬はこちらに来るんじゃないでしょうか。一時期の凱旋門賞みたいだ。

ぶっちゃけマスカレードボールは究極仕上げというわけでもなかったし、それでもあっさり取らせてしまうんだからノーザンもなめられたもんだなと思います。まぁまだ彼とミュージアムマイルがイクイノックスやエフフォーリアみたいに怪物という可能性もありますけど。

なんだかなーとぶつぶつ言いながらレースを見返してて、正直なにも書くことないなと最初は思ったんですが、私が本命にしていた戸崎さんが信じられない前壁してて面白かったので元気が湧き、予想に対しての反省会を開くことにしました。


ルメール上手かった

正直私は騎手を高く評価するのは好きじゃなくて、いやもちろん乗りこなして導くのは凄いなと思うんですけど、基本的には勝敗や着順に関しては馬の能力にその責任(というか原因?)を求めるスタイルなんですね。

だから「GⅠはルメールを買え」みたいなのは嫌いで、ルメールだって負けるときは負けているわけですから、あくまで馬の能力ありきだろうということをTwitterでもブログでも何度も書いています。例えば今年の皐月賞のモレイラもそうです。

ただ今回に関しては、ルメールうまかったですね。秋華賞も菊花賞も上手かったけど馬の能力がそもそもレースで1番だったから上手さが違うなと思ってて、今回は直線入る前に4角からめちゃくちゃ押してるんですよ。

まるで有馬記念みたいな感じでコーナー回ってきて、この馬の瞬発力の乏しさを上手く補っていました。ちゃんと進路も確保していますし、そこがやっぱり流石ですね。モレイラがこの馬の姉でVMに乗ったときはまぁ酷い騎乗をして瞬発力型に負けたわけですけど、そうはならなかった。

確かにマスボは父ドゥラメンテ経由でトニービン持ちではあるんですけど、今回の走りはトニービンじゃなくて母父たるディープの持続力だったと思います。ジャスティンパレスとは斤量分もあって差がついてますけど、本質的には似た競馬かなと。

仕掛けの位置をシュネルマイスター然り遅らせすぎと非難されることも多いルメールですが、なぜか2000m以上だとぴったりで、これが本当に不思議なんですよね。フランスってむしろマイルの層が厚いイメージあるのに。

この先はおそらくジャパンCだと思いますが、そこで改めてこの馬のレベルを見られたらなと思います。別に弱い馬だとは思ってないんですが、いきなり秋2タテしたら凄いですよね。

戸崎さん酷かった

ブレィディヴェーグが負けたこと自体は仕方ないなと割り切っていて、これはシランケド武史やクイーンズウォーク川田もそうなんですけど、位置を取れない上に持続力型だから仕方がない。ペースがいくらなんでも極端すぎました。

ただ直線の進路はもう……。浜中の伝説のソウルラッシュ安田記念(1回目)ばりに詰まってましたよね。ヨーホーレイク川田のダービーとか、ソングライン毎日王冠とか、ほんとそのレベルで詰まってた。

上がり3F勝負でみんなしごきまくってるのに、1人だけ頑張って進路探してて泣けますよ。せめて外ぶん回してくれたらよかったのに。ちょっと納得するのは難しい騎乗でしたね。まぁそれ以上に納得するのは難しいペースだったので不思議と苛立ちとかはないんですが。

この馬はもうこのまま引退なんでしょうかね。あまりにも気の毒で、もったいない。そりゃ牝馬だからGⅠを何個勝とうが価値はたいして変わらないでしょうけど(セレクトに出すなら別ですがクラブ募集でしょう)、でもちょっと残念ですよね。こんな馬柱になってしまったことが。

タバルはよく頑張っているよ

豊さんには良いように調教に使われてしまいましたね。最初から勝てるとは思っていなかったんでしょうし(インタビューもそんな感じでしたもんね)、ある程度はおそらく次走るだろう有馬に向けた走りをしてくると思ったので大逃げはしないと予想していたんですが、まさか完全調教になるとは。

ノリがポツンするとよくあれこれ言われますが、展開には影響を及ぼさないポツンと違って前でやられちゃうのは、まぁ正直言って勘弁してほしいかな。そして豊さんの調教に一生懸命手綱引っ張って付き合うホウオウビスケッツの岩田にも悲しくなりました。

奥村厩舎と岩田のコンビ、応援してるんですけどね。いくらなんでもあれで勝てる馬ではないでしょうに。確かに私は先行瞬発力型とは言いましたけど、高速馬場の適性から考えて32秒で上がるようなタイプじゃないでしょう。

ペースが分からなかったというのなら、それはもう仕方ないですが、あんな近くにタバルがいて自分は手綱を引っ張っている時点で遅いことくらい分かってたと思いますけどね。

話を戻してタバルですが、この馬はよく頑張っていたと思います。上がりもそこそこ使えて、高速馬場への適性も見せました。毎日杯のラップと時計はやっぱりたまたまではなくて、これくらいは上がれる馬なんですよ。だから後ろからでも面白いって戦前言ってたのも分かってもらえたかなと思います。

ただ騎乗はやっぱりね、納得できないです。いや確かに有馬に向けてどうとか、この馬は気性がどうとか、外枠だったからどうとか、流しても勝てないだろうとか、いろいろ意見はあると思います。それが分からないほど私も競馬素人ではない。ペースは番手が作るものというのも分かってます。

でもそれ、豊さん以外の騎手でも同じこと言いますか?

例えば今回豊さんが何らかの事情で乗れなくて中堅騎手(名前を出して悪いですが藤岡兄や田辺が)乗っていたとしましょう。それで今回のようにドバイターフと同じ競馬して同じように負けて、それでも同じように言いますか?

言うのならいいですけどね。そうじゃないなら、それは騎乗じゃなく人を見てますよ。レース映像じゃなく出馬表の名前を見てます。偏見に基づいた意見だと思います。ちなみに私は別の騎手でも同じこと言うと思います。ドバイと同じ負け方で工夫がないって。

豊さんやノリの線でつながる競馬、私は好きです。布石のように大逃げを打ったあとスロー逃げをしてみたり、追い込み馬で突然イン先行してみたり。騎手間の心理をついたり馬と対話しているような継続騎乗ならではのレースは心惹かれます。

ただ今回がそうだったとは私は思いません。というかGⅠの逃げ馬でそれはやらないでほしいです。ドバイが無かったのなら、分かりますけどね。ドバイがあっての今回だから流石にどうなのと言っているわけです。せめて60秒とか常識の範囲内にしてほしかった。

まぁこれ以上は部外者でジョッキー未経験者の私が何を言っても仕方ないのでやめておきましょう。

はい、終わり。

シランケド届ボケ

いわゆるトドボケ(届くかボケ)でしたね。まぁその是非に関しては私は結果論というか2年前のジャスティンパレスと同じ競馬しただけだと思ってるのでとやかく言わないでおきます(流石にもうちょいいけなかったのかなとは思いますが、道中動いて終い鈍ってもアレですし)。

この馬の高速馬場適性は凄いですね。瞬発力と持続力がともに高水準。特に持続力は目を見張るものがあると思います。母父ディープとはいえ、この父でこんな上がり出せるのかと。

これはちょっとDeclaration of War(デクラレーションオブウォー)の再評価にもなりそうですよね。トップナイフ的な馬という印象を馬産の人にも思われていたと思うんですけど、東京2000でこの上がり使えるなら母父ディープ回す価値ありますよ。

Declaration of Warってもともと欧州の万能馬的な存在でBCクラシックでも惜敗しているような個人的に好きな馬なんですが、やはり彼の母父Rahy(ラーイ)(この馬も日本適性高いです)が持っているBlushing Groom(ブラッシンググルーム)×Halo(ヘイロー)や母母父Gone West(ゴーンウェスト)のスピードが生きているんでしょうか。

これならディープはもちろん他のサンデー系やロベルト系との組み合わせも見てみたいですよね。ノーザンの馬とかつけたらどうなるのやら。種牡馬人気するでしょうし、種付けが楽しみです。

終わりに

レースの勝敗を分けたのははっきり言って高速馬場適性と斤量だったと思います。それをどちらも備えている3歳牡馬やシランケドが好走するのはある意味当然ですし、ジャスティンパレスとアーバンシックもそれはそうって感じですね。ブレイディヴェーグも進路あれば掲示板争いはしていたと思います。

それ以上は分からないので、今年のダービー出走馬のレベル感についてはJCで確かめたいと思います。

お疲れ様でした。