ドウデュースとぼく 〜2024年 ジャパンC〜

秋天で鮮烈な大外ぶっこぬきを披露されて横転してから1か月。それはジャパンCでドウデュースを切るか切らないか葛藤した時間でした。

1番人気でジャパンCを勝つ。秋三冠を2連勝する。その難しさはこれまでの名馬たちが証明しています。

果たしてドウデュースにそれができるのか。それとも別の馬が勝つのか。


ドウデュース強すぎわろた

強すぎわろた。

この馬、やっぱりゆっくり追走して大外ぶん回す形なら滅茶苦茶強いですね。

まぁ正直今回は展開も向いたかなとは思います。

スローの後方で展開が向いたってなんだよって思うかもしれませんが、瞬発力勝負ならドウデュースは多分日本の競馬史でもトップクラスのものがあって、そういう瞬発力勝負のレースになったことが向いたなと。

例えば去年の秋天やジャパンCみたいな持久力勝負になると厳しいとは思うんですよ。だから今年のジャパンCの展開は、完璧に向いたわけではないですが、彼の土俵で競馬ができたかなと。

いやでもね、そこでしっかり勝ち切るの流石ですよ。馬なりで上がってきて、たまげました。ウイポでめっちゃ強い馬に後方ポツンさせた時の動きですよあれ。最後も垂れてるんですが得意のちょい残し発動して粘りきってるのお見事です。

ドウデュースのレースを現地で見るのは初めてじゃないんですけど、今回はこれまでで1番に声援が大きかった気がします。返し馬で既に大歓声ですしね。そういう馬であの競馬ができるんだから武豊のメンタルは凄まじい。若手にあれはなかなかできないでしょうね。菅原くんくらいじゃないかな。

予想では消しましたけど、あれは1番人気の追い込みの馬を買うわけにはいかないという私の自分ルールみたいなもので、いわゆる「来たらごめんなさい枠」でした。だからまぁ後悔はないです。

(レース映像を再度見直して)いやぁー、強いっすね。スローすぎて抑えるギリギリだったというか、ぶっちゃけ抑えきれてないような。それでも勝てたと。

やっぱもうちょっとロンスパ戦なら分からなかったかな。なんでみんな直線まで仕掛けなかったんだろう。ドウデュースとの末脚勝負は避けて早仕掛けになると思ったんですが……。

5F戦を予想していた私にとっては誤算でしたが、そういうところで運を持っているのも主役って感じです。

◎ シンエンペラー 2着

素晴らしい。素晴らしい競馬でした。

先行するだろうなとは思っていたんですが、ハナまで行ききったのはよかったですね。外から交わされても我慢できて、気性面の成長も見せました。

最後は瞬発力の差で屈する形になってしまって、そこだけが惜しかった。この馬が得意とするようなロンスパ戦にできていれば、勝てたと私は思っています。コーナーで加速しにくいのが仇になっちゃいましたかね。ドゥレッツァが仕掛けを限界まで待ったのも不運だったかも。

最後ドウデュースに詰め寄っているように見えますが、もちろんあれは「差し返す」の表現でも良いんですが、実際には前の馬が垂れてきていたわけで、この馬は持久力でもって僅差に走ったんですよ。

もう飽きるくらい言っていますが、シンエンペラーの血統は欧州型高速平坦血統。日本競馬の時計帯でもやれますし、高い持続力は東京2400にぴったりの適性です。それはダービー3着でも証明しましたよね。Miswaki(ミスワキ)という血統の素晴らしさです。

「道悪で勝った凱旋門賞馬の全弟なのに凱旋門賞で惨敗してジャパンCで好走したのは、日本競馬の調教をしているからだ。血統よりも調教の方が大きいんだ」という意見がTwitterにて流れてきました。ただ私のブログを今まで読んでもらえていれば、そうではないという風に考えてくれていると思います。”血統で”ダービーも買えたんです。

欧州馬が皆、ロンシャンやアスコットに向いているわけではありません。凱旋門賞なんかは欧州馬でさえ「馬場や枠のガチャ要素が大きい」という認識なわけです。

血統は数あるファクターの1つです。そして極めて有効であり、生まれた瞬間から不変のファクターです。極端な考えで結論づけようとするのは、私は思考の甘えだと思います。日本馬でもディープ産駒とキンカメ産駒の適性は同じじゃないし、中山が得意な馬と東京が得意な馬には違いがありますよ。

この馬は間違いなく強いですし、今もまだ強くなっている。単に前残りってだけじゃないですよ。ダービーはロンスパ前残りを後ろから伸びてきているし、そもそも3歳牡馬が勝ち負けするのは凄いんですよ。

この馬のローテは今回1番しんどかったと思います。ドバイからの遠征帰りで有力馬が相次いで調子を崩していたように長距離遠征は難しさがある。でもシンエンペラーは道悪の凱旋門賞から来てますからね。凱旋門賞からジャパンCって一流の馬しか勝負できていないんです。斤量があってもです。

今年6戦。勝ちこそないですが確実にレースレベルは上がっていますし、その中で着順も上げてきています。調子も良くなっていますし、おそらく仕上げやすくなっている。つまり心身ができてきた。

次はサウジ(ネオムターフC?)か春天ということですが、私はサウジからドバイに行って欲しいですね。まぁ春天を盛り上げてくれても嬉しいですが、海外遠征の適性はあると思いますし。

そのほか印まわした馬たち

◯ チェルヴィニア 5着
▲ ジャスティンパレス 4着
△ ドゥレッツァ 3着
☆ ゴリアット 6着

チェルヴィニアは瞬発力勝負になったのが直接の敗因ですが、私はスローが予想される中で(そして実際にドスローになったなかで)ルメールが早めに動かなかったのが意外でした。

意外と自分から動くのはできない馬なんですかね。これまでそういうイメージはなかったので、ちょっと認識を改める必要がありそうです。

ジャスティンパレスは、悲しいかな定番となってしまった負け方で、この馬も早めに動ければ良かったんですが、こういう展開だとどうしようもないですね。まぁポジション取れたり操縦性があったりというのも競馬における能力の一つだと思うので仕方ないです。

ドゥレッツァはビュイックがお見事。これまでのレースを見て研究していたそうなので、菊花賞のイメージだったんでしょうね。ドゥレッツァが限界まで仕掛けを待ったことで瞬発力勝負になりましたが、ドゥレッツァ自身はそれによって勝ち負けしているわけですから責めるわけにはいきません。

ゴリアットはよく頑張りました。あとスミヨンが上手い。ちゃんと強いですよね。もうちょっとペースが流れるくらいが丁度良かったと思いますが、日本のGⅠ馬と東京でやれていることを過小評価すべきでないと思いますよ。

500kg近い体重にもびっくりしましたし(海外馬の他2頭は軽め)、それでいて最先着しているのも流石です。セン馬だったら違ったりするんでしょうか。3代母や2代母の半きょうだいは中長距離で結果を残しているみたいですし、母系や母父や母母父のおかげなんですかね。

次走は香港の可能性もあるということで、楽しみです。

生エイダン!

Auguste Rodin(オーギュストロダン)の引退式、レースから2時間近くも多くの人が競馬場に残っていました。率直に言って、感動しましたね。だって初来日の愛国馬ですよ。

それだけディープインパクトという馬が日本人にとっては大きいし、だから外国産馬✖️外国産馬という配合で日本に馴染みが薄い血統でも、日本を代表する競走馬として真っ先に名前が上がる一頭になっている。

しかも引退式まで行われました。多くの人が拍手して、今では日本が1番競馬愛の強い国だと胸を張って言えますね。

そしてA.オブライエン調教師は優しくサインに応じてくれました。係の人が「もう辞めましょう」と言っても限界まで応じてくれました。私もAuguste Rodinの応援馬券にサインしてもらうことができて、これは宝です。貴重な体験でした。

あれだけの馬を輩出したディープインパクトの凄さを、そしてその馬を活躍させ日本に連れてくるまで至った陣営と騎手を、心からリスペクトします。彼が種牡馬としても活躍してくれたら。そう願っています。

残すは1冠

この秋三冠は、私とドウデュースの戦いでもあります。

秋天はソールとタスティを買いました。

ジャパンCはシンエンペラーから買いました。

どちらもドウデュースに負けましたが、有馬記念でも本命にはしません。

迎える秋古馬ラストの有馬記念。武豊とドウデュースに立ちはだかるのはディープ産駒最後のダービー馬シャフリヤールと横山典弘が乗るダービー馬ダノンデサイル。

熱戦を期待したいですし、私はドウデュースよりポジション取れて斤量有利なダノンデサイルが勝てると思っています。もしドウデュースが秋古馬三冠を取るなら、この馬をねじ伏せてほしい。

最終決戦に相応しい舞台。主人公ドウデュースのラストランが今から楽しみです。

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